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2007年10月28日

森山大道写真展

 福岡市で行われた生長の家講習会のあと、同市中央区のビル内で開催されていた森山大道氏(69)の写真展「記録そして記憶」を見に行った。どこかにも書いたことがあるが、私は学生時代に写真に凝っていた時期があり、そのとき“心酔”していた写真家の一人が森山氏だった。彼の写真は決して「美しい」ものではなく、モノクロ主体でむしろ「乱雑」であり「猥雑」でさえあった。しかし、被写体を白と黒の粒子の荒い点の集まりに変換することで一種の“抽象化”を行い、それが明確な構図の中から訴えかけてくる力強さは、若い頃の私にはとても魅力的に感じられた。それに、夜の街中でストロボの閃光を発しながら、ファインダーを覗かずに撮る、という奇抜な撮影法がいかにも直感的で、神秘的に感じられた。「写真とは被写体を克明に美しく撮るもの」という常識の逆を行きながら、世間に受け入れられる作品を撮り続けているという点が、私の驚きだった。当時、慶応大学にいた友人を誘って夜の街へカメラを持って繰り出し、森山氏のマネをしてストロボを発光させていたことを思い出す。
 
 私は、森山氏の写真は一種の“異端”だろうと思っていたが、この写真展を案内する新聞記事を読むと、同氏は「海外でも評価が高い写真家」だそうで、そんな写真家の写真に惹かれた自分もあながち“異端”ではなかったのだ、と妙に安心した。氏は今年になって、長らく中断していた個人写真誌『記録』を数十年ぶりに再スタートさせたそうで、そこに掲載された写真と過去の写真を同じ会場に展示していた。その2つを見比べた限りでは、私には数十年の時間の差は感じられなかったのである。だから、「懐かしい」という気分を味わった一方で、何か物足りなさも感じた。

 この写真展を見ながら気がついたことがある。それは、私の写真の撮り方には、最近のものも含めて、構図や被写体の種類において、森山氏の写真が案外影響しているということだ。当時の私が好きだった写真家には、森山氏以外にも土門拳、秋山庄太郎、ユージン・スミスなどがいたが、それら3氏よりも森山氏の影響が強いのではないかと感じた。私はもちろん写真家ではないから、自分の写真が誰かから「影響を受けた」などと言っても、日本の写真界にとって何の重要性もない。これはあくまでも私個人の表現法の問題である。
 
 そこで、最近私が撮った写真をパラパラと眺めて、“森山流”と共通するものを探してみた。それをここに紹介するが、私が撮ったままの写真では“森山流”ではないので、それらしく加工したものも並べてみた。どんなものだろうか……?

 谷口 雅宣

Chair Chair_2

Whitedoor

Whitedoor
KidsKids_2

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コメント

友人に写真が趣味であちこちで入賞したとか美術館に展示されるとか写メールしてくれますが私はその時その時、撮りたいと思ったものを携帯で撮り、プリントアウトして楽しんだり、上げたりする程度で残念ながら良く分かりません、どちらかと言えば人を写して上げる以外は四季折々の大自然の風景が好きです、でも紹介されています何気ない素朴な1コマの写真も魅力的です。

投稿: 尾窪勝磨 | 2007年10月30日 00:05

お写真を見せていただきながら、行雲流水という言葉が心に浮かんできました。
福岡の御講習会を済まされたその足で写真展に行かれ、
ただご覧になるだけでなく、ご自分の作品を掲載され一文をおこされる。
秋晴れの爽やかな空を眺めたような気分にさせて頂きました。   福岡 古谷正

投稿: 古谷正 | 2007年10月30日 06:54

うーん、力強い重さのある作品ですね。男らしいです。

 私は高校時代、天文部と写真部を兼部してました。

写真部は幽霊部員だったのですが、写真は見るのも、

撮るのも好きです。

 私は、前田真三の写真が好きです。

投稿: 近藤敏子 | 2007年10月30日 11:26

合掌ありがとうございます(^人^)

写真の事はよく分からないのですが…椅子の写真を除いては、私はカラーの方が良いように感じました(*^^*)

特にドアに林檎?の袋がぶら下がっている写真は、元々が林檎以外淡い感じの色彩なので、林檎の色だけが強調されている所にドラマを感じます(*^^*)

とても素敵な写真と感じました(^人^)

再拝

投稿: 龍娘娘 | 2007年10月30日 12:39

近藤さん、

 写真部……ですか。いいですねぇ。それに「男らしい」なんて……初めて言われました。写真に男も女もあるんでしょうか?(笑) もしあるとしたら、前田真三さんの絵は、女らしいのでは?(非難しているのではありません。称賛しているのです)

龍娘娘さん、

 ドアに掛った果物は「ナシ」だと思います。

投稿: 谷口 | 2007年10月30日 14:00


 私は、青学の二部の教育学科で心理学を学んだのですが、

人間、男にも女にも男性性、女性性があるそうです。

 谷口雅宣先生は慈愛の心に満ちたところが女性性が強く、

何事にもまっこうから立ち向かっていくところが、

男性性が強くていらっしゃると思います。

 写真や絵は正直です。

 前田真三は確かに女性らしい繊細さにあふれてますね。

投稿: 近藤敏子 | 2007年10月30日 17:37

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