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2007年6月26日

風車(かざぐるま)

 先日、芝・大門の増上寺へ行ったとき、境内の西端にズラリと並び、風車を持った石の地蔵像がとても印象的だったので、カメラで記録した。これらは「千躰子育地蔵尊」と呼ばれ、子供の無事成長、健康を願って奉安されているという。隣接して祀られた西向観音(にしむきかんのん)が、子育てや安産に霊験あらたかとされるのにちなみ、昭和50年から順次奉安されているらしいが、数えてみなかったので本当に「千体」あるかどうか分らない。ときどき木々の間をぬける風に、風車が小さく軋むような音を立てて一斉に廻る様子は、なかなか見ものである。子供の顔をした地蔵像には、赤い帽子や涎(よだれ)掛けがつけてあるから、流産児供養の意味もあるに違いない。私は、人工妊娠中絶でこの世に生まれることのできなかった人たちの慰霊の場だと考え、静かにシャッターを押した。

 ところで、増上寺のウェッブサイトの説明では、1万6千坪の境内の建物は大門から西方向へ並んで造られ、「穢土から極楽浄土に至る世界を表している」のだそうだ。西方極楽浄土の方向へ「煩悩を解脱し、大殿阿弥陀仏の元へと向かう」構造になっているという。そして、西の端には西向観音を安置した観音堂がある。ここは江戸33観音札所の第21番霊場にもなっていて、増上寺より旧い。鎌倉時代に執権、北条時頼が観音山に辻堂を建立し、石造の観音像を祀ったことに始まると伝えられ、慶長3年(1598)に増上寺がここへ移転してきたことで境内地に含まれることになったそうだ。同じ1つの土地に、様々な因縁が複雑に重なり合っていることを感じた。
 
 谷口 雅宣

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コメント

雅宣先生,ありがとうございます。
 心温まる映像を見せて頂きました。お地蔵様を見ると私の故郷の近く「深川の永代寺」に祀られている古い石のお地蔵様を思い出します。幼い頃からよく手を合わせた記憶があります。それから,今でも小学校の教科書に載っている「かさこじぞう」の物語を。現代の子供たちもあの昔話を目を輝かせながら読んでいます。あの純粋な瞳と魂に合掌したくなります。私たち日本人の心の奥底には,やはり神仏への憧憬や畏敬の念が深く根を張っているのですね。
 ちなみに「風車」から連想するのが「風車の弥七」。言わずと知れた時代劇「水戸黄門」の中のキャラクターですが,新シリーズにおいてまた復活したとか。ピンチのときにどこからともなく飛んでくる正義の風車。これもまた,私たちが潜在的に求めているものの象徴なのでしょうか。自分も今の世の中において,「神様の御心を届ける風車」をもちたいと思った次第です。いや,これは蛇足でした。

投稿: こんちゃん | 2007年6月27日 20:48

谷口雅宣先生。

心に届く映像をありがとうございます。

風車が、笑って手を振る子供たちの行列のように見えました。
先生を歓迎されているように。
生長の家の、生命の尊厳をまもっていく姿勢と、人間神の子の教えと、流産児供養への想いが、伝わっているように感じました。

先生の映像はいつも視点が愛に溢れていて、優しいですね。
これからも楽しみにしています。

再拝

投稿: 米山恭子 | 2007年6月28日 10:21

こんちゃん、
米山さん、

 コメント、ありがとうございます。今回の作品は、ファイルのつなぎ目で妙な音が入る点、荒が目立ちますね。にもかかわらず、お誉めくださり感謝します。

投稿: 谷口 | 2007年6月29日 12:50

谷口雅宣先生

 ご文章と画像及びお声が拝聴できますので
 アクセスするたび尚一層興味深く、拝読拝聴
 させていただいております。

               向 芳夫

投稿: ブラジル 向 芳夫 | 2007年6月29日 22:31

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