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2007年5月18日

最近のいいニュース

 日本の男の喫煙率が4割を切ったという。春の爽やかさを引き立ててくれるよいニュースではないだろうか。厚生労働省が発表した「2005年国民健康・栄養調査」の結果の1つとして17日付の『日本経済新聞』が伝えている。それによると、2005年に習慣的に喫煙をしていた成人男性の割合は「39.3%」で、この調査開始の1986年以降初めて4割を切り、2003年(46.8%)の割合からは7.5ポント減少した。これに比べ、女性の喫煙率は「11.3%」で2年前と同率じで、30代の女性の喫煙率(19.4%)は逆に前年より1.4ポイント増加したという。

 これらの数字の背景にどんな動きがあるのか、詳しいデータを知らない私には想像するほかはない。が、男--それも中高年が、喫煙をやめる努力をしているのだと素直に考えたい。というのは、私が職場との往復をする道すがらも、煙草の臭いをさせている中高年の男性はあまりおらず、その代わり若い男女が無遠慮に歩行喫煙をしているのに出会うからである。「無遠慮に」と書いたのは、私の住む渋谷区では歩行喫煙は条例違反だからだ。
 
 環境保全の関連でも、いいニュースがある。植物を原料とするバイオプラスチックの改良が進んでいて、これまでの弱点だった耐熱性が向上している。18日の『日経』によると、東レはトウモロコシからつくるバイオプラスチックの原料である「ポリ乳酸」を溶かし、これに植物繊維を均質に混ぜることで、従来より強度と耐熱性に優れたプラスチックの開発に成功した。従来型は55℃で変形するが新型は150℃に耐えられるという。また、帝人と武蔵野化学研究所は共同で、熱に強い特殊な結晶構造のポリ乳酸を開発し、来年にも実用化を考えているらしい。この素材を衣服などの繊維として使えば、アイロンをかけても破れる心配はないという。バイオプラスチックはこのほか、食品容器、携帯電話やパソコンの外枠、自動車の内装、機械や電子部品などへの利用が進んでいくだろう。
 
 また、17日の『日経』によると、4月に改正施行された容器包装リサイクル法のおかげで、レジ袋削減の動きが活発化している。スーパー各社はレジ袋の有料化を進めていて、東急ストアでは横浜市の金沢シーサイド店で4月1日からレジ袋を1枚5円で販売し始めたところ、レジ袋の辞退率が18%から85%に増えたという。イオンは京都市内などでレジ袋の有料化を始めており、イトーヨーカドーとユニーも6月から、横浜市内の1店で有料化を始める。また、コンビニチェーンのミニストップも6月1日から、レジ袋を使わない客の購入金額から1円を引く実験を千葉市内の直営店で始めるという。

 さて、トヨタの最高級乗用車「レクサス」にハイブリッド版が出たようだが、これは“いいニュース”か“悪いニュース”か判断が難しい。1台が千五百万円もする車を買う人は、地球環境を気遣う人かどうか……と考えてしまうからだ。本欄を愛読してくださっている方ならご存じのように、私は2005年7月に「拝啓 トヨタ自動車 殿」という文章を書いて、アメリカで成功したレクサスの日本への導入よりも、国内でのハイブリッド車の拡充を要望した。それが2年後に実現したのだから、感謝すべきかとも思うが、私が当時から要望している小型SUV車のハイブリッド版はまだない。同じものはホンダ車にもないことから考えると、このクラスの車は“売れ筋”のために、利幅に余裕がなく、これにさらにコスト高となハイブリッド・システムを加えることは利益の拡大に逆行する、と両社とも判断しているのかもしれない。
 
「地球温暖化の緩和」と「企業の利益拡大」のいずれを選ぶかとなると、営利企業は後者を選ぶというのは当たり前のことなのだろうか。自動車メーカーでは「世界一」への道を驀進するトヨタなのだから、CO2の排出責任も世界一になると考えてほしい。だから、こんな少数の金持ちの趣味的な車に力を入れるよりは、高騰中の燃料代を半減できる充電式ハイブリッド車(本欄の昨年2月3日6月14日参照)を早く実現してほしいのである。

谷口 雅宣

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コメント

本欄の読者の方々へ、

 この5月18日の文章とは直接無関係の政治問題に関して、長いコメントを付した方がおられましたが、本欄の趣旨とは異なる結果を招く恐れがあるので、「非公開」にさせていただきました。悪しからずご了承ください。

投稿: 谷口 | 2007年5月21日 12:07

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