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2007年5月 4日

生長の家の全国大会を終えて

 本欄を約1週間休載したが、前回も少し触れた生長の家の運動組織の全国大会があったからだ。その準備のために結構、多忙だった。これらの全国大会は、生長の家が毎年行う主要な行事の1つで、4月開始の年度当初に行われることから、運動の方向性を定めるという意味で重要な意味をもつ。生長の家では、今後10年間で生長の家の運動の中で排出される二酸化炭素の量を実質ゼロにすることを目指した“炭素ゼロ”運動をスタートさせ、今年はその初年度に当たる。だから、全国大会でも“炭素ゼロ”の考え方が鮮明に打ち出されるかと思ったが、実際はそうでもなかった。
 
 私も、講話の中では地球環境問題を直接取り上げなかった。それよりも、世代間倫理の重要性を強調し、その倫理の背後にある宗教的なものの考え方の“復権”を訴える内容だった。もっと具体的に言えば、私の講話は4月7日から17日の本欄に書いた内容を詳しく説明したものだ。地球環境の現状については、私が説明しなくても、最近ではマスメディアが詳しく伝えてくれるようになっているし、アメリカの元副大統領、アル・ゴア氏の映画『不都合な真実』以降、一般の関心もとみに高まっているように思うから、私は今回は別の角度から話をさせていただいた。もちろん、環境倫理は世代間倫理と密接に関係している。だから、世代間倫理が重視されなくなってきた現代の問題が何であるかを考えることは、環境倫理を広めるために重要なことである。(環境倫理と世代間倫理の関係については、拙著『今こそ自然から学ぼう』pp.206-215 など参照)
 
 まわりくどい表現になったが、端的にポイントを言えば、現代は物事を「個」のレベルに細分化して考える還元主義(reductionism)と、何ごとも物質を基本として考える唯物論が常識化しているため、個と個との関係性や全体性、物質的存在の背後にある法則や原理を見失う傾向にあり、そのことが社会や地球環境に損害を与える大きな原因になっていると思う。私はこれを、「デジタルな考え方が“過剰”である」と表現し、宗教が伝統的に推進してきた“アナログ的な考え方”が、その過剰をバランスさせるためには必要であると指摘した。抽象的で哲学的な講話になってしまったかもしれないが、“科学技術万能”と言われる時代でも、宗教運動に重大な意義があることを訴えたかった。
 
 こんな硬い議論を柔らかくするために使った“電脳紙芝居”なるものが、Web版「日時計日記」などを読むと案外好評だったのが嬉しい。実は、この紙芝居が生れたのは、本欄の読者からフィードバックをいただいたおかげである。4月12日の本欄で、私はアナログ的なものの見方の例として、「黄色い絵具(魂)に青い絵具(物質)を徐々に混ぜていくとやがて緑色(肉体)になるように、どこまでが黄色でどこからが緑であるかは問題にしない。それよりも重要なのは、両方の色には共通部分が存在し、それが継続していると見るのだ」と書いた。これに対して、酒井幸江さんが「今回の絵の具のお話も絵本にしていただけたらなあと思いました」というコメントをくださった。私は「絵本」などという大それたものを作ったことはないが、「紙芝居」ぐらいだったらできるかもしれないと思い、私の言う「デジタル」と「アナログ」の違いが分かるようなストーリーを考えたのである。

 その結果が、『青くんと緑くん』という電脳紙芝居になった。何しろ、時間に追われて大急ぎで作成したものだから、絵はとても稚拙で、キャラクターの動きも不自然である。反面、会話の中には複雑な言い回しも結構ある。だから、はたして内容を理解していただけるかどうか自信がなかった。しかし、その荒削りの稚拙さを面白いと思ってくださった人もいて、会場に笑声がひろがったのは有り難かった。読者の皆さんの希望が多ければ、ネット上での公開も検討してみたいと思う。谷口雅春先生や谷口清超先生の著作には童話もあるから、絵本の形式を使って生長の家の考えが表現されるのもいいかもしれない。

谷口 雅宣

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コメント

谷口雅宣先生
3日間、有難うございました。私は「相愛会・栄える会合同大会」と「青年会全国大会」に参加しました。青年会の全国大会で、参加者の皆さんが「マイ箸」で参加していたのが立派で、日々実践している青年たちの頼もしさを感じました。先生ご夫妻の「マイ箸」のエピソードも日々のご実践の賜物と感じました。
 ところで、経済産業省のHPの「キッズ・コーナー」が、頭の少し固くなった私のような大人でも理解できる「地球温暖化」「エネルギー問題」「リサイクル」を易しく解説しているのでご案内いたします。
地球温暖化対策
http://www.meti.go.jp/intro/kids/kankyo/earth_index.html
エネルギー問題
http://www.meti.go.jp/intro/kids/kankyo/kankyo_index.html
リサイクルについて
http://www.meti.go.jp/intro/kids/recycle/index.html


投稿: 久保田裕己 | 2007年5月 4日 23:26

谷口雅宣先生
合掌 ありがとうございます
全国大会では、とても愛深く優しく御指導頂きまして心から感謝致しております。『青くんと緑くん』の電脳紙芝居は、わかりやすくおもしろかったです。キャラクターの表情はとても愛着がわき楽しかったです。ネット上での公開も希望しております。それから、絵本の形式を使っての生長の家の考えが表現されることも素晴らしいアイデアだと思います。楽しみにしております。その時は、子供達と楽しみたいと思います。

投稿: 宮本京子 | 2007年5月 4日 23:54

谷口雅宣先生
ありがとうございます。全国大会ではパネラーとして先生への感謝の気持ちをお伝えする事が出来て嬉しさでいっぱいです。また「青くんと緑くん」の電脳紙芝居、私のコメントがきっかけで素晴らしい紙芝居を作って頂きましたこと、もうびっくりして控え室でひっくり返りそうになりました。青くんと緑くんのかわいらしさに心ひかれました。残念ながら舞台袖に控えなければならず、最後まで見れなかったのですが、音声は聞こえました。深い内容のラスト…私は喜び一杯でうれし涙をぬぐって舞台の階段をのぼりました。喜びにあふれてまるで竜宮城に居るようでした。谷口雅宣先生本当にありがとうございました。心キラキラ♪ニコニコ♪ルンルン♪でこれまで以上にがんばります♪

投稿: 酒井幸江 | 2007年5月 5日 08:47

谷口雅宣先生

私は親子室で受講していましたが、「青くんと緑くん」の電脳紙芝居の時間になった途端、我が子も含めて、子どもたちがモニター画面に一斉に注目していました。それまでは、走り回ったり、おもちゃで遊んだり、子供用のアニメビデオを見ていたり…と賑やかな親子室だったのに、「青くんと緑くん」の時間になった、まさにその途端に、子どもたちが鋭く反応し、熱心にモニター画面に見入っていたのです。時々、子どもたちは笑ってもいました。絵本の形式でもお説き下さると、小さな子どもを持つ親としては、大変嬉しいです。

そこに込められたメッセージも、非常に深いものだったと思います。青くんと緑くんが、それぞれ何を象徴していたのか、分かるような気がいたしました。

投稿: 山中優 | 2007年5月 5日 09:33

久保田さん、

 経産省の情報、ありがとうございました。


宮本さん、
酒井さん、
山中さん、

 電脳紙芝居の感想、ありがとうございました。
 紙芝居で「深い内容」というのは難しいと思いますが、ウーーン、成功だったのかなぁ~。とにかく、絵本はともかく、ネット版のこと、考えてみます。


投稿: 谷口 | 2007年5月 5日 20:26

谷口 雅宣 先生

 合掌、ありがとうございます。
 全国大会でのご指導、誠にありがとうございました。先生のご指導を通じて「世代間倫理」の考え方を「アナログ」と「デジタル」という日常的に使用する言葉を用いて大変わかりやすくご教授いただき、大変感銘を受けました。今後の指針にして参りたいと思います。以下に、青森教区から参加した青年の感想文の中から先生のご講話に関連する部分を抜粋しましたのでアップ致します。
                       竹村 正広 再拝
                      

  全国大会で楽しかったことは、雅宣先生の紙芝居です。なんなに  「自己中」だった青くんが緑くんの説明であんなにみんなのことを思 う青くんに変身してスゴイと思いました。(中略)家に帰ってから実 行しようと思っているのは、谷口雅宣先生と純子先生に見習って、毎 日神想観と食前・食後の祈りです。        (女性・12才)

  今日の大会の中で印象に残ったのはデジタルとアナログの話です。 デジタルのように分けられた“間”のことを大事に見られるようにし たいと思います。                (男性・30才)

  谷口雅宣先生のご講話は、最初は難しく感じましたが、中盤からデ ジタルとアナログの話があり、とてもわかりやすく、日本人は「昼・ 夜」「春夏秋冬」のように知らず知らずにアナログとデジタルを使い 分けていることを知ってとても納得しました。   (男性・19才)  
  大会を通じて谷口雅宣先生の「デジタルとアナログ」のご講話が印 象強いです。紙芝居も準備して下さっていてとてもわかり易く面白か ったです。雅宣先生の講話は、毎回画像等があるので楽しいです。
  よく親や人と「和解」するという言葉がありますが、「和解する」 とはデジタルなのか、アナログなのか、とずっと考えていました。私 の考えではアナログだと思います。デジタルのように「それぞれの色 に区切りをつけてしまう」と中間点がなく、“あたなの色”と“私の 色”が混ざれなくなってしまいます。中間点がなく、混ざり合うとな ると「完全に色が混ざり合う」という事になります。それはそれでと ても素敵な事だと思いますが、「完全に調和」するのはとても難しい 事なので、私は「調和」はアナログだと思いました。けれどどんな人 にでも「与え続ける愛」で「完全に調和」する事を目指したいと思い ます。                     (女性・16才)                          ー以上ー

   

投稿: 竹村 | 2007年5月 6日 11:23

谷口 雅宣先生

全国大会にはいけませんでした。

友達が 帰ってきて 「すごく笑った!!」とだけメールしてきました。

すごく 笑った???

絵本? 電脳紙芝居?


ネットでの 公開 お願いします。


ミニ演劇 ミュージカル 映画化 漫画化 コメディ ドラマ化 
いろいろな言語への翻訳 etc etc

神様の 夢は  無限なのですね!

感謝しています。 ありがとうございます。  合掌

投稿: 亀田 文 | 2007年5月 6日 16:13

谷口 雅宣先生
合掌 ありがとうございます。
奈良教区青年会会員の本田真弓です。
全国大会でのご講話、今まででとてもわかりやすく、面白かったです。
今現代は見た目はすごくデジタル化しておりますが、実は人間の脳の仕組み自体がアナログになっていて、最終の所では人間のアナログ的な判断が事を決めているように思われました。
雅宣先生の全国大会での電脳紙芝居、ネット公開及び、講習会等でも
是非使ってご講話して下さい。
来年奈良で大講習会が開催されますので、楽しみにしております。
再拝

投稿: 本田真弓 | 2007年5月 7日 09:18

電脳紙芝居を描いて頂いて有難うございました。

人は見える物にはそれなりの対応が取れますが
人は見えない物に対して、どうイメージしてよいのか、どう対応するのか解りません。

入会して2年の私には難しい事ばかりです。
教えがもっとスーッと心に入る方法はないんだろうかといつも思ってました。
見えない物を、見える物『イメージ』にして頂きありがとうございました。

私は講演会で
雅宣先生の『目玉焼き』を聞いて、「これだ!」と思いました。
『人に神性を見る』や『完全円満』にはほど遠いのですが、・・・

その後、笑われるかもしれませんが、人を『卵のイメージ』で見るようにしました。
卵に顔と手や足がついていると考え、中には、白身と黄身があり黄身は良いところ、白身は良くない事とイメージしました。
白身はグレーになったり、真っ黒になった人もいるけれど、
どんな人でも黄身は完全円満であるとイメージしました。
私の場合主人や子どもやと接するとき
『卵。卵・卵』・「卵の黄身を見つめて」と心に呼びかけ、 
良いところ(黄身)を見ることを心がけるようになり、ほめる事がおおくなってコミニュケーションが上手くゆくようになりました、
子供を叱る時は『子どもの黄身をみつめて叱ればいい』と思い、
誉めてからひと言叱るということが出来るようになりました。
すると子供は素直に心を開き聞いてくれるようになりました。
主人の良いところ(黄身)を見て書き出してみるとたくさんあるのに  ビックリ。
自分の不平不満が感謝不足によるものだと気付きました。
心から「有難う」と感謝しようと、心がけるようになりました。
すると、主人も自分から「俺は気が短くて文句がすぐ出るのがいけないな」といい、
穏やかになるよう努力してくれてるようになりました。
今現在、難病の私のために、自分自身を見つめなおすために、約2ヶ月半の四国高野山巡礼に出ております。「足の爪がはげそうだ」といいながら、毎日平均20キロの祈りの巡礼をしてくれております。
私はそんな主人に「パパ、大丈夫?有難うね」のメールをおくり、無事を祈る毎日です。


単に卵のイメージに置き換えただけなのに、
生長の家の教えがピッタリと卵に当てはまるのです。
実践につながるのです。結果につながるのです。
絵本を作れば右脳のイメージ力の強い小さな子供にもよ~くわかると思います。
大人が見ればなおさらです。

卵は、たいへん身近なものでイメージしやすく、理解しやすく、世界中どこにでもあるものです。文字の読めない人にも卵の絵本なら読んでもらえば判るのではないでしょうか?
後で『卵焼きの』ブログを見てよく宗教の本質を卵にたとえられると知り、なるほどと思いました。

それと
はッきりは覚えてないのですが、
雅治先生は生前のビデオで「幸せになれる考え方・・言葉を使い」であり、宗教ではないと断言されておられましたし、キリスト教をはじめ他の宗教の良い点を認め、敬意を持って紹介するという、まさに『宗教を越えた考え方』であるように思いました。
一人に一つの『命』は人類に共通なものです。
宗教でないならば・・・・
学校の道徳の授業にも使えるし、どんな宗教の国にも発信できるのでしょうか?

絵本のように、・・・難しいことを出来るだけ簡単に心にスーツと入るものをあらゆる手段を使い、世界中に急いで発信していただけないでしょうか?。
今生まれた子供が20年後には立派な大人になります。
『命をイメージできる教育』で自分も人も大切に出来るのではないかと思います。

こんなこと言ったら叱られそうですが、・・・・
、世界中で、異常気象が起こり、地球の危機が叫ばれる中、もう戦争や内乱や宗教戦争なんかしてる場合じゃない。『人類が全てを越えて、今こそ心を一つにして協力すべき時である。』と『人類の危機』であることを、あらゆる手段を使い世界中にサイレンを鳴り響かせたいと世界中の誰ものが思っているはずです。
オーバーな言い方ですが・・・・・・・・
世界は救世主が現れるのを待っています。
国連を動かしたり、宗教のトップ会談をしたり、あらゆる知恵と手段を集めて
人類の心を一つにしてくれる人を待っています。

投稿: I.Y | 2007年5月 7日 15:57

竹村さん、
亀田さん、
本田さん、

 電脳紙芝居への期待、ありがとうございます。
 生長の家本部の出版・広報部と相談し、一両日中にも『青くんと緑くん』を生長の家のサイトに掲載することで合意しました。

投稿: 谷口 | 2007年5月 7日 17:43

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