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2007年5月15日

アメリカでも“炭素ゼロ”運動

 前2回の本欄では“暗い話題”を取り上げてしまったので、今回は明るいニュースを書こう。生長の家は今年度から10年後を目指して、教団の活動で排出される二酸化炭素(CO2)を実質的に「0」にする“炭素ゼロ”の運動を始めたことは、本欄ですでに書いた(4月5日参照)。ところが、この運動が始まったばかりの今年4月、カリフォルニア州ガーデナ市にある生長の家アメリカ合衆国伝道本部は、スリーフェイジズ・エナジーサービス社との間で、建物から排出されるCO2を向こう3年間実質ゼロにする契約を締結してしまったのである。私は、この素早い対応に驚いて問い合わせたところ、同伝道本部の勅使川原淑子・教化総長が、概略次のように説明してくれた。

 同伝道本部は、できるところから地球環境保全に取り組んでいこうとして、2006年8月ごろからアメリカでの環境保全への取り組みと可能性について調査を始めたという。その結果、第一段階としては日本の運動にならってグリーン電力の購入をしようということになり、カリフォルニアを本拠とするスリーフェイジズ・エナジーサービス社を使ってグリーン電力を購入した場合の予想金額などを添えて、勅使川原総長が10月の伝道本部理事会に提案したという。そして、今年1月の理事会で提案が可決され、具体的な購入先の選定作業が行われた後、3月の理事会で同社との契約締結が決まったという。
 
 勅使川原総長によると、この契約決定の後、理事全員が「ヤッター」というような実に嬉しそうな表現や表情をしたという。同伝道本部の年間の電気使用量は約2万8千kWhになるそうだが、この電力量にともなうCO2を相殺するために必要な金額は「560ドル」で、3年間では「1,581ドル」(約19万円)なるらしい。このお金で、化石燃料でつくられる電気より高価な、風力などの自然エネルギーでつくられた電気を買うのである。

 4月21日の本欄に書いたように、アメリカの温暖化対策に関連して重要なことは、4月2日に連邦最高裁がCO2を「大気汚染物質」と認定する歴史的決定を下したことだ。これにより、連邦政府の環境保護局(EPA)はCO2の排出削減を行わざるを得なくなっている。しかし、これを受けたブッシュ大統領は14日、「自動車の燃費向上の基準を策定するための作業を開始した」と発表しただけで、2008年の終りにその基準を策定するまでは特に何もしないと言ったらしい。15日付の『ヘラルド・トリビューン』が伝えている。この2008年末とは、ブッシュ氏の任期が終る数週間前だから、彼のヤル気は推して知るべしだろう。

 これに対して、連邦上院の民主党指導者のハリー・レイド氏(Harry Reid)は、大統領府とは別に法律による燃費基準の策定を考えていて、現在の「リッター10km」を10年間で「リッター14km」まで向上させようとしているという。一方、カリフォルニア州と他の10州は昨年11月に、連邦政府を相手取って、ミニバンやSUVに対して燃費の向上を義務づけるための訴訟を起こしている。この訴訟は、2006年に策定された新しい燃費基準--わずかな改善しか求めていない--が環境にどのような影響を与えるかの評価を求めるもので、カリフォルニア州の言い分では、この基準は、人間の活動による大気汚染が環境にどんな悪影響を与えたかを考慮しておらず、中東の政治的不安定や、新しいクリーン・エネルギーのことも無視している--つまり、本来すべき仕事をしていないのだという。
 
 アメリカ国内のこのような動きの中で、環境意識の高いカリフォルニア州にある生長の家アメリカ合衆国伝道本部が、真っ先に“炭素ゼロ”の方向に歩き出してくれたことは、カリフォルニアの非営利法人として面目躍如であるとともに、日本の運動を勇気づけてくれるものだ。

谷口 雅宣 

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コメント

谷口 雅宣 先生

アメリカの運動の一端にふれて頂きまして、ありがとうございます。
早速、理事長はじめ英語スピーキングの方々にも、先生がご紹介くださいました内容を伝えたいと思います。
「国際教修会」や「リーダーのための特別練成会」で先生にご指導頂きました内容は、以後、教化部長はじめ本部講師の方々により語り続けられて来ておりますが、それら継続的取り組みが、この度の可決に繋がったものと思い、心より感謝申し上げております。
各種行事における食事もミートレス、又はミートカットと、教区の実状に応じ改善が進んでおります。13日の理事会でも、地球の日(4月22日)にちなんだ各教区の取り組みにつき、下記のような報告がありました。市が開催したクリーンアッププロジェクトの河
川周辺の清掃活動に、教化部長はじめ有志が生長の家のロゴマーク入りのティーシャツを着て参加した。(ハワイ教区)
サンデーサービスにおいて、 ジュニアユースグループが、環境に優しい生き方につき、子供達自らで考えた具体的取り組み(ゴミの分別にさらに心配りをする)につき発表し、大人達に感動を与えた(南加教区)等々。
今後も、幹部や信徒の方々と、明るく、力強く前進して参ります。

アメリカ合衆国教化総長
       勅使川原 淑子 拝

投稿: 勅使川原 淑子 | 2007年5月17日 09:22

2007年5月17日

副総裁・谷口雅宣先生

合掌、ありがとうございます。

本日アメリカ合衆国伝道本部では定例のスタッフ・ステータス・ミーティング(職員会議)が行われました。その際、勅使川原淑子アメリカ合衆国教化総長から、副総裁先生のご文章の内容について紹介があり、昨夜ハーバート・オダ理事長にも伝え、二人で握手をして喜びあったとつけ加えられました。

同席した伝道本部スタッフ全員で喜び合いました。ミツヨ・ソロ職員は「日本にいる妹が、副総裁先生のブログを見て感動し、メールで私に知らせてくれました」と報告されました。

副総裁先生のご愛念に心から感謝申し上げます。8月ニューヨークでお会いできる機会を楽しみにいたしております。

アメリカ合衆国伝道本部
杉内 英治拝

投稿: 杉内 英治 | 2007年5月18日 10:58

勅使川原さん、
杉内さん、

 この情報をブログにするのに少し遅れてしまいました。オダ理事長初め、理事の方々によろしくお伝えください。

 あと、“炭素ゼロ”は交通機関の利用面などが残されています。アメリカは自動車と航空機……が問題ですね。

投稿: 谷口 | 2007年5月18日 16:20

2007年5月18日

谷 口 雅 宣 先生

先生のお心遣いに感謝します。

交通機関の利用面についても、種々検討中でございます。

特に、カリフォルニアは車が無いと動きがとれませんので、ハイブリッド車を求める人が増えております。

遅ればせながら、小職も昨年末からハイブリッド車に換えました。

先生のブログを通して色々学ばせて頂いておりますが、4月26日の書き込みも、興味深く読ませて頂きました。

アメリカ合衆国伝道本部
杉内 英治拝

投稿: 杉内 英治 | 2007年5月19日 02:54

谷口 雅宣 先生

合掌、ありがとうございます!

 昨朝のアメリカ合衆国伝道本部・南加教区のステータス会議の際、勅使川原淑子総長から雅宣先生がアメリカの
“炭素ゼロ”運動についてお書き下さったことについてお話がありました。実は一昨日、北海道におります妹からも先生の
ブログを拝見しての喜びのメールを受けたばかりでしたので、大変嬉しく存じます。ありがとうございます。先生のご指導に
感謝すると共に勅使川原総長、鶴田南加教化部長のご指導のもと信徒・誌友の皆様と手を携えて励みたいと存じます。
 
雅宣先生ご夫妻もどうぞお体をご自愛されますようお祈り申し上げます。8月にニューヨークで開催される教修会を幹部の
方々が楽しみにされております。

伝道本部出版局及び南加教区事務局
   久村・ソロ 光代 拝                       
                 

投稿: 久村・ソロ 光代 | 2007年5月19日 13:39

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