« 地震はどこでも起こりうる | トップページ | 環境省は“本筋”を通すべし (3) »

2007年3月26日

オンライン絵画展

 今年の2月1日6日8日の本欄では、私が絵を描く際の心境や目的について書いた。また、その実践例として「わが町--原宿・青山」というスケッチ画のシリーズを掲載している。そこに掲げた絵はすべてモノクロのスケッチだ。それを見て拍子抜けした読者もいるに違いない。私がこれらの絵に色をつけていない理由は、簡単だ。時間的余裕がないからである。また、色を抜いてしまっても、絵の構図や濃淡の表現で、私が感じた風景のエッセンスは伝えられると思ったからだ。もちろん、それが成功しているものもあれば、そうでないものもある。さらに言えば、私が「成功している」と思った絵でも、それを見て「つまらない」とか「よく分からない」と感じる人もいるに違いない。それはそれでいいと思う。絵や写真はそういう性質のものだからだ。
 
 私はまた、風景スケッチだけをしているわけではない。すでにご存じの読者も多いと思うが、別のサイトには私の別の系統の絵を掲載してもらっている。そのサイトとは、生長の家の関係サイトで、「TK」というハンドルネームの人が運営している「絵てがみ教室 ~アトリエ TK」というブログである。ここで「MT」というイニシャルを使って絵を出しているのが、私である。ここにある私の絵は、日常で出会う当たり前の“小物”--例えば、茶碗、ポット、歯磨きチューブ、時計--を描いたもので、やはりモノトーンだ。その理由は、時間がないというよりは、モノトーンの方が、形や陰影の美しさや面白さがよく伝わると思ったからである。
 
 絵が好きな人で、このサイトへまだ行ったことがない読者は、どうぞ御来訪を。私のもの以外は皆、色つきで美しい作品ぞろいだ。そして、出品者の個性がよく出ているから、「絵」と一口で言っても、その多様性に驚かされる。また、運営者のTK氏の絵とエッセー(画文)もなかなかいい。「絵を描く」ということは、ものを見ることである。そして、「ものを見る」ことは必ず心の動きを伴う。この「心の動き」には、宗教で大切にする「心の持ち方」も含まれる。描く絵には、作者のその時の心の持ち方が正直に表れてしまうから、自分の絵を見ることで「自分の心を知る」ことができる。そういう意味で、絵画や芸術は自己反省の手段、さらには自己向上の手段にもなりえると思う。

 さて話は急に変わるが、ロンドンに絵画などの美術品を展示するサーチ・ギャラリー(The Saatchi Gallery)という画廊があるらしい。チャールズ・サーチという広告界の富豪、美術品収集家の経営になるもので、20年前からあるが、現在、建物は改装中らしい。この画廊は主として現代の芸術家、それも比較的無名の作家を扱い、そういう若い作家たちは、ここで見出されることで一躍有名になることが多いという。ギャラリーには年間60万人以上の見学者があり、その中には千以上の学校から訪れる学生・生徒が含まれるという。このギャラリーが昨年、ウェッブサイトを立ち上げて、絵画や彫刻などの芸術家や学生に自分の作品を自由に登録させることを始めた。インターネットの世界だから、イギリス国内はもちろん、それ以外の世界の国々の“芸術家”やその“卵”が、これによって自分の作品を広く展示することが(少なくとも電子的には)可能となった。

 そのニュースが口コミで広がり、さらに昨年12月には『ニューヨーク・タイムズ』などのメディアが取り上げたことで、一種のブームが生れている。誰でも登録できるというので、中にはワケの分からない芸術もあるようだが、最近はメンバー同士が展示作品を10段階で評価する「ショーダウン(勝負、対決)」という催しなどをして、話題をまいている。私もいくつか色つきの作品を登録しているので、興味のある読者は、トップページの「English」からリンクをたどってご来訪あれ。もちろん、読者自身の絵を登録することもできるから、“世界の舞台”へ挑戦も可能である。
 
谷口 雅宣

|

« 地震はどこでも起こりうる | トップページ | 環境省は“本筋”を通すべし (3) »

コメント

合掌ありがとうございます。谷口雅宣先生のサイトいつも拝見させていただいています。3月23日~25日に飛田給道場で行われた「女性のための練成会」に参加いたしました。とても素晴らしい練成会でした。私は飛田給道場のファンでここ1年毎月埼玉から通いつめています。明日27日から始まる「長寿練成会」に70歳の父を連れて行く
予定です。5月の全国大会と7月15日さいたまスーパーアリーナで
の先生の御講話いまからとても楽しみにしております。 再拝

投稿: 愛愛のママ | 2007年3月26日 19:30

私のブログを紹介してくださり、ありがとうございました!
お褒めの言葉に、身が引き締まる思いです(前からヤセてますが…笑)。
また、先生がなぜモノトーンで描かれているのかが、今回よく分かりました。
私は、見る側が色を自由に想像しながら楽しめるモノクロ作品にも、とても魅力を感じます。

TK

投稿: TK | 2007年3月28日 04:07

谷口雅宣先生
 先生は、新旧の原宿・青山をスケッチされていらっしゃいますが、昨晩(3月29日)、昭和39年(1964年)の原宿、生長の家本部をテレビで観ることが出来ました。
 俳優の植木等さん追悼番組で「日本一のホラ吹き男」(古沢憲吾監督・東宝)が放映され、生長の家本部会館、ご神像の前が某国の大使館になって映しだされていました。「高度成長期、明るく前向きスイスイ出世物語」とサブタイトルが産経新聞のテレビ欄に書いてありましたが、生長の家本部会館の43年前の姿に感激しました。本部会館は原宿の町によく似合っていました。本部会館は、戦後を代表する昭和の歴史的建造物かと思います。
 先生が描かれた、本部会館や周辺のスケッチも是非拝見したいと思いました。
 とりわけ「原宿」駅に隣接する明治神宮の森は、全国の青年たちによって植林されたそうですが、ここもスケッチの宝庫かと思います。私は地下鉄の利用が多く、たまにしかJRの「原宿」駅を利用しませんが、雨の日に原宿駅のホームに立つと、本当に空気が美味しく感じられます。明治神宮周辺に勤めたり暮らす人たちは、先人たちの遺産の恩恵に与られ、うらやましいと思いました。

投稿: 久保田裕己 | 2007年3月30日 01:11

久保田さん、

>> とりわけ「原宿」駅に隣接する明治神宮の森は、全国の青年たちによって植林されたそうですが、ここもスケッチの宝庫かと思います。<<

 「宝庫」だと思う貴方なのですから、どうぞどんどんスケッチをして発表されたらいかがでしょうか?

投稿: 谷口 | 2007年3月30日 13:03

谷口雅宣先生
お返事有難うございます。明治神宮は遠距離ですので、身近な庭の草花から始めようと思います。脳梗塞の後遺症のある兄は、半年ほど前から絵手紙を夫婦で始めました。それまで50年以上、兄に絵心などないと思っていましたが、素朴な作風ですが、兄の感動や発見が、直に伝わってまいります。

投稿: 久保田裕己 | 2007年3月30日 16:27

私は以前「わが町ーー原宿・青山」の日の差す公園の絵を見た時に美しい木々の間に差す美しい太陽の光線がはっきりと見えてきて感動した事を思い出しました。

投稿: 宮本京子 | 2007年3月31日 00:43

宮本さん、

 私も、あのスケッチは好きなものの1つです。気に入っていただき、幸甚です。

投稿: 谷口 | 2007年4月 1日 23:13

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 地震はどこでも起こりうる | トップページ | 環境省は“本筋”を通すべし (3) »