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2007年3月31日

日本の環境技術に期待 (2)

 前日の本欄で触れたアメリカ農務省の今年のトウモロコシ作付面積の予想が、今日発表された。『日本経済新聞』の31日付夕刊によると、2007年の予想作付面積は、前年より15%増えて、63年ぶりの広さとなる「9045万4000エーカー」(約36万6千平方km)となった。これは日本の国土面積(約37万8千平方km)にほぼ匹敵し、ドイツ全体の面積(約35万7千平方km)を上回る。昨年に比べて213万エーカー(約4万9千平方km)増加したことになり、増加分だけでも東京都の22倍の広さだ。上記の記事には、この発表を受けて30日のシカゴ穀物市場でトウモロコシの値段はストップ安になったと書いてあるが、今後はトウモロコシへの転作でアメリカでの生産量が減るダイズ、米、綿花などの価格上昇が予想される。
 
 トウモロコシは食用のほか、最近では植物性プラスチックの原料として利用されるようになり、生長の家でも講習会や教区大会での弁当箱などとしてなじみが出てきた。この場合は、植物のもつ「生分解性」(土の中で腐る性質)を生かした使い方であるが、それとは違い、長期に硬度を保つ植物性プラスチックも開発され、自動車部品などで利用されている。この分野で面白いのは、ノートを綴じるのに使われるリング状のワイヤに植物性プラスチックを使った例だ。3月27日の『朝日新聞』夕刊にはそのワイヤの開発苦労話が載っている。開発したのは三菱樹脂で、文具メーカーのアピカが昨年7月に発売した「オフィシャルエコリングノート」にこれが採用されている。
 
 この記事によると、今は文房具の環境志向も進んでいて、ノートの場合、再生紙100%の製品では新味がないため、それに加えて、リングに植物性ワイヤを使用し、印刷にはダイズのインクを使うという“完全植物性”のノートが登場したわけだ。従来のノート用ワイヤは金属製で、使っているとリングの端が衣服に引っかかったり、ノートの左ページを記入する際に右手の平がリングに当たるのが気になるなどの問題があった。植物性プラスチックの採用でこれらの問題がすべて解消するわけではないが、従来型よりも柔軟な性質と感触、そして環境性能とでユーザーを増やそうという戦略だろう。この場合の「環境性能」とは、ノートを使用後に廃棄する際、従来型ではワイヤとリングを分別する必要があるが、植物性リングではその必要がないという点だろうか。
 
 実は私は、社会人になって以来、リング式のノートを使ったことがないから、今回の新製品をすぐ使おうとは思わない。しかし、使っているスケッチブックにはリング式のものが多いから、これに植物性プラスチックが採用されることになれば、使用を考えることになるだろう。その際に重要なのは、リングの強度がどの程度の年数維持されるかという点だ。この「強度」と「生分解性」をうまく調整することは、なかなか難しいかもしれない。

谷口 雅宣

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