クロスワードを解く
1月2日の本欄に「教義クロスワード」なるものを掲載したが、お約束の1週間がたったので、解答を発表することにする。クロスワード・パズルの解答は、答えを書き込んだパズルそのもので示すのが普通だが、ここでは文字のみを掲げる:
【縦の答え】
(イ)居士。(ロ)秘仏。(ハ)つく。(ニ)福音書。(ホ)罪。(ヘ)神示。(ト)善。(チ)光。
【横の答え】
(イ)幸福。(ヘ)真。(リ)愛念。(ヌ)慈悲。(ル)物質。(ヲ)月読。
なにせ初めての“作品”だったので、不完全なところがあった。ご容赦願いたい。また、上記以外でも正解があり得るかもしれない。発見した読者は、ぜひ教えてほしい。
今回わかりにくかったのは「居士」かもしれない。『新潮国語辞典』(平成元年刊)によると、これは仏教で「俗人のままで仏門に入った男子」とある。また、「真宗以外で男の法名の下につける号」ともある。それを私は「求道の過程にある人の古称」と表現した。辞書的な意味では、これで大過ないと思うが、すべての「居士」が必ず「求道の過程」にあるかと言えば、「維摩居士」のような例外もある。谷口雅春先生の『維摩経解釈』には、「維摩結は宗教家ではなく一市民に過ぎないので、白衣の人であるけれども、よく沙門即ち僧侶の守るべき戒律を守って実生活を清浄に送っており、俗人の家に住んでいながら、俗人のようには現象界の事物に執着することがない」(p.85)と書かれている。
「月読」は「つくよみ」と読むのが正解だが、一般には「つきよみ」とも読まれる。そう読んでも、縦の(ハ)の言葉が「つき」となり意味も通るので、これも正解としたい。
今回「神の御徳の1つ」という同じカギが縦と横に2回出てくるが、これは製作者の側の“苦肉の策”である。生長の家で一般に「神の御徳」と言われるものは「真・善・美」の1セットと、「知恵・愛・生命・供給・喜び・調和」の6つを併せた1セットである。このうち平仮名2文字で表現でき、末尾が「ん」であるものは「真」と「善」の2語である。したがって、縦の(ト)は「しん」でも「ぜん」でも正解と言わなければならない。ただ、せっかく「真・善・美」の3語があるのに、そのうち1語だけを2回使うのでは神様に申し訳ないと考え、上の解答では「ぜん」とした。
さて、次の問題を作ってしまった。お付き合いいただければ幸甚である。
【縦のカギ】
(イ)日本国の別称。
(ロ)「コトバの力」を仏教的に言うと?
(ハ)『創世記』による人間の組成。
(ニ)キリストの意味。
(ホ)広島県の東部。
(ヘ)死後の国。
【横のカギ】
(イ)火葬すること。
(ト)陰陽合一の霊力。
(チ)教え導くこと。
(リ)笑顔と優しい言葉で。
(ヌ)現実世界のこと。
(ル)人間の物質的表現。「○○から生まれるものは○○なり」
谷口 雅宣
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コメント
副総裁 谷口雅宣先生
クロスワードの回答ありがとうございました。
解けましたと書き込みました、J・Tこと高田です。
どうしてもおもいつかなくて、信徒でない主人に(リ)の横を聞いたら敬愛と教えてくれ、又、息子に(へ)の縦を聞いたら、啓示と教えてくれました。それで、神の恩徳でけのつくものを探しました。「詳説 神想観」の知恵の恵は慧と書かれているので、これで「けい」と「あい」で神の恩徳としました。答えはまちがいましたが、「愛念」「神示」「真」「善」は私の頭の中にしっかりはいったように思います。答えを探している間に読んだ「古事記物語」や「日常生活の中の心理」もいがいと面白かったです。次のクロスワードも挑戦してみたいと思います。
問題を作るほうが大変だと思いますが、いつもなにか新しいものを試みていらしゃるようで、小閑雑感を見るのが楽しみです。
合掌 高田純子拝
投稿: 高田純子 | 2007年1月11日 01:37
谷口雅宣先生
イ「居士」と、リ「愛念」以外は当たりでした!でも、この「イロハニホヘト・・・」のマスの文字を並べて言葉を作るのだと勝手に勘違いしていたため、「こひつふつしぜひ??持仏?」とここで、相当悩み、これは先生が使われる高度な熟語なのでは?と推測し、とうとうあきらめてしまいました。先生の毎日のお話しをさらさらと読んだだけでは理解できず、己の勉強不足にう~ん、とうなっている事が多いなか、教義クロスワードはとても楽しく取り組めます。ありがとうございます。今度は全問正解を目指します。
投稿: 内田千里 | 2007年1月11日 09:25
副総裁 谷 口 雅 宣 先 生
今回も楽しく解かせていただきました。ありがとうございました!
パズルを解く楽しさは、必ず解答があることが分かっておりますので大安心して楽しんで解くことができますね。お作りなる場合は、解く以上に沢山の用語の組み合わせで色々と工夫されるのでしょうね。
楽しいパズルを、ありがとうございました! 合掌
牧野尚一拝
投稿: 牧野尚一 | 2007年1月11日 11:34
高田さん、
「パズルを解くために聖典を読む」というのも、悪くないようですね。(笑)次のパズルも頑張ってください。
内田さん、
>> こひつふつしぜひ??
まるで暗号のようですね。
でも、どうしてこうなるのかなぁ……?
牧野さん、
>> お作りなる場合は、解く以上に沢山の用語の組み合わせで色々と工夫されるのでしょうね <<
もうコンピューターなくては、できませんよ、本当に。で、考えたのですが、普通のパズル本なんかに問題を出している人は、どうやって考えるのでしょうかね? 多分、クロスワード向けの「脳」というのがあって、そういう特殊な脳力の人が作る……。そういえば「数独」パズルも、よく作れると思います。
投稿: 谷口 | 2007年1月12日 14:39
副総裁先生
やはり解くよりも作る方が何倍も大変でございますね。
前回は(イ)の縦を、今回は(ロ)の縦を最後に解いて完成しましたが、両方とも仏教用語でございました。中国、日本といった漢字圏に普及した仏教は用語も豊富で、しかも漢字には音読みも訓読みもありますし、まして日本は言霊のさきはう国ですので、パズルを考えるには語彙は無限といっていいほどございますね。
大変ご苦労ではございますが、またお時間が許しましたら私たちを楽しませて下さい。
ありがとうございました! 合掌 牧野尚一拝
投稿: 牧野尚一 | 2007年1月12日 21:06
言葉足らずですみません。私が普段やている新聞に掲載されているクロスワードパズルは、全部のマスが回答でうまったら、記号の入っているマスだけを取り出し、並べかえてひとつの熟語を作り、それを回答としてハガキに書いて応募することになっています。なので、クロスワードというとそういうものだと思いこみ、つい勝手にそのような手順だと勘違いしました。早合点はいけないですね。 今度の問題の方が難しく、回答の日がきてしまう!とちょっとあせっています。
投稿: 内田千里 | 2007年1月14日 11:42
副総裁 谷口雅宣 先生
合掌ありがとうございます。
クロスワードの解答ありがとうございます。
私は、(リ)の解答だけを間違いました。
私の解答は「テイシン」「挺身」としました。
これも正解にしていただけると嬉しいです。
再拝
愛媛教区 新内 一
投稿: 新内 一 | 2007年1月14日 22:55
新内さん、
挺身……ですか。近いですねぇ~。でも、私の辞書では「多くの中から先んじて、自分から進み出ること。率先」とあります。これは必ずしも「愛」や「好意」がなくてもできることですね。例えば、「怨み」による挺身もありえるようです。「挺」の字には、「抜きん出る」とか「優れる」という意味はありますが、「ささげる」という意味はないようです。
投稿: 谷口 | 2007年1月15日 13:11
副総裁 谷口雅宣 先生
了解しました。
ありがとうございます。
合掌
新内 一
投稿: 新内 一 | 2007年1月15日 16:03