稔りの秋
休日の木曜日なので、妻と2人で渋谷へ買い物へ出かけた。澄み切った秋晴れの1日で、渋谷の雑踏の中もなぜか気持よく早足で歩けた。もう何年もはいている革靴が傷んできていたので、替りを買おうと思っていた。私は普段、職場へ歩いていく時には柔らかい靴底のウォーキング・シューズをはいていくから、革靴をはくのは、生長の家の講習会で出張するときと、式典などの改まった機会だけである。それに、黒と茶の靴を交互にはくようにしているので、革靴は比較的長持ちしているはずだ。その茶色の革靴の足先が傷んでいた。恐らく夜、自宅の長い石段を上がるときに、足元がよく見えなくて引っかけてしまったのだろう。
東急本店の靴売場で、妻の助言を聞きながら3~4足をはき比べたすえ、茶の革靴を買った。その後、2人で地下の食料品店へ行った。妻の買い物の中にブドウとクルミ入りのフランスパンがあった。帰宅後、秋の果物と買ったばかりのパンなどをテーブルの上に並べてみた。「稔りの秋」を演出しようとカキ、ナシ、ムベなどの果物のほかに、パンとお菓子を加え、ついでにワインの瓶も置いた。「絵になるか……」と思ったのである。私は秋が好きだとどこかに書いたことがあるが、今年は木々の紅葉・黄葉が遅く、2週間前に群馬県の渡良瀬渓谷へ行ったときも“空振り”の観が強かった。そして今、自宅の庭や表参道のケヤキの葉がようやく色づいてきている。そんなことも手伝って、「秋」を記録しておきたいという気持が高まっていたのだ。
これらの前で、私はダンボールを切り始めた。11月5日の本欄で書いた日比野克彦氏の作品のことが、ここ2週間ほど気になっていたからだ。画材としてダンボールを使ってみたかった。どんな作品になるか見当もつかなかったが、とにかく何かができるだろうと思いながらゴリゴリとハサミで厚紙を切り、ボンドで貼り合わせ、アクリル・グワッシュで彩色した。日比野氏の作品は、淡彩でダンボールの味を引き出していたが、私は逆に、色をしっかりつけてみた。それはそれで成り立つと思ったからだ。
その結果、できたものをここに掲げよう。どこかのレストランの看板のような絵になったが、「稔りの秋」は表現されているだろうか?
谷口 雅宣
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コメント
素晴らしい秋を有難うございます。思わず家内を呼んで一緒に鑑賞させていただきました。
間もなく秋季大祭、副総裁先生ご夫妻にお会いできる事と総本山の秋、紅葉は如何ととても楽しみにしております。
福岡教区講師会長古谷正拝
投稿: 古谷正 | 2006年11月18日 09:03
古谷さん、
お久しぶりです。コメント、ありがとうございました。
「食欲の秋」だけではいけませんネ!(笑)
投稿: 谷口 | 2006年11月18日 17:11
合掌。
段ボールだから出来る
その質感なのでしょうかぁ・・・。
何でも画材になるのですね。
手にとってパクっと
食べてしまいたいような・・・。
柿のピカっとしたところが
本当に美味しそうです^^;
私はどこに行くのも
デジカメがバックに入っていて
ここ!って思った所を写真にします。
絵心があれば・・・描いてみたいのですが^^;
夫も明日から総本山へ。
お世話になりますm(_ _)m
投稿: よりたまり | 2006年11月18日 23:07
谷口 雅宣 先生
とてもステキな絵ですね。
段ボールが地色になっているからでしょうか、全体に調和しながらも、それぞれのモチーフの色彩が色鮮やかに浮かび上がって見えます。
特に白い粉をまぶしたフランスパンなどは、とって食べたくなるほどですね。
小関拝
投稿: 小関 隆史 | 2006年11月19日 16:01
よりたさん、
「夫」さまの運転で今、公邸に着いて一息入れています。
写真と絵画は共通点が多くあります。ぜひ、絵を描いてみてください。
小関さんのブログを参考に……。
小関さん、
フランスパン、おいしかったですよ。買ってすぐかじるのが最高です。(笑)
投稿: 谷口 | 2006年11月20日 17:01