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2006年7月28日

記録的な長梅雨

 九州・四国地方の梅雨は明けたが、関東以北はまだ雲が覆う。九州南部は過去30年で最長(60日間)の梅雨だった。関東・甲信の梅雨明けは平年(7月20日)よりすでに1週間遅れており、8月にずれ込む可能性も出てきた。過去、この地方の梅雨明けが最も遅れたのは8月4日(1982年)だというから、この記録も塗り替えるかもしれない。気象庁は、梅雨が長引く理由を2つ挙げる:①偏西風の蛇行が強まって日本上空に寒気が流れ込み居座った、②太平洋高気圧の影響で中国南部の湿った空気が流れ込んだ。専門家でないのでよく分からないが、梅雨が長かっただけでなく降水量の異常の多さは、それだけで説明できるのだろうか。
 
 27日の『産経新聞』によると、25日までの集計で、東日本の降水量は日本海側で平年の251%、太平洋側で同213%に達し、西日本でも日本海側は平年の213%、太平洋側が同171%だったという。すさまじい豪雨は各地で被害を出し、死者・行方不明者が28人、住宅の浸水は9千棟を超えた。気象庁は、大きな被害を出した豪雨災害に名前をつけてきたが、今夏の一連の豪雨を「平成18(2006)年7月豪雨」と命名した。同庁によると、今週に入って偏西風の蛇行が解消し始めたため、西日本は31日ごろまでに、東日本は来週以降に梅雨明けするとの見通しだ。(26日『日経』)

 本欄では昨年7月25日にも気象のことを書いている。それを読むと、昨年の7月も曇り空が多く、わが家の太陽光発電量は一昨年の3分の2ぐらいだった。ちょうど大型台風7号が名古屋から上陸して、時速25キロの遅さで大量の雨を降らせていた。今年の台風は、まだそれほど多くない。それでも2倍の雨が降ったということだ。今年の7月25日には、カリフォルニア州を熱波が襲ってることを書いたが、暑いのは同州だけではなく、ほぼ全国的だ。去年の同じ日にも同様のことに触れている。だから近年になって、7月は東アジアがずぶ濡れとなり、アメリカは熱波に襲われるというパターンができつつあるような気がする。
 
 地球温暖化は、地殻の表面と大気中を循環する水の量を増加させる。温暖化前には、極地や高山で凍結したまま循環しなかった水(氷)が、河川や海中に溶け出すからだ。そのことと降水量の増加との関係は分かりやすい。これに対して、熱波や旱魃との関係は分かりにくいかもしれない。が、7月7日に本欄に書いたことを読み返していただけば、①早期の雪解け、②夏季の高温、③乾期の延長、という3つの要因が(少なくとも米カリフォルニア州では)働いていることが分かる。このことが、南アメリカにも当てはまると思わせるような写真が、27日の紙面に載っていた。
 
 それは、南半球最大の瀑布「イグアスの滝」が、70年ぶりの渇水に見舞われているとして、今年7月の写真と、2004年1月の写真を並べている記事だ。(『産経』と『日経』)ブラジル南部では旱魃が続いていて、滝の水量は年間平均の2割以下に激減してしまったそうだ。ブラジルは今冬だが、24日にはサンパウロ市の気温は30.2℃に達し、7月としては観測史上最高を記録したそうだ。しかし考えてみると、南米の雪解けはまだこれからだから、上記の3要因はそのまま当てはまらない。『日経』の記事では、地元の気象研究所が、海水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」のため降水量が極端に低下した、と分析している。
 
 それにしても、昨今の世界的な気象の変化は急激すぎないだろうか。中東の戦闘も激化している。戦争は、最も激しい温暖化要因だ。大量の火器が使われ、航空機が飛び回り、重厚な車両が疾走する。それは人間の憎悪の表れだ。早く戦闘をやめ、憎悪を消す努力をしなければならない。

谷口 雅宣

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