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2006年6月11日

ハエ取りビン

 富山市で行われた生長の家講習会を終え、空港へ行くまでの時間を利用して、民俗民芸村という所へ寄った。富山平野の中央を南北に走る呉羽丘陵にある総合文化施設で、民芸館、民俗資料館、考古資料館、美術館、陶芸館など10棟の施設が並ぶ。時間の都合で、その中では「民俗資料館」だけを参観することができた。ここは江戸時代後期からの富山市周辺の民俗資料を収集したところだが、建物自体が3階建ての茅葺き入母屋合掌造りの旧民家である。同市の山田村にあった住宅を移築したもので、破風口がきわだって大きく、当地では「ウグイス造り」と呼ばれていた建物だそうだ。衣食住を中心とする生活用具を初め、農耕機具、林業や養蚕用具等が、木で固められた家の中に1300点も展示してある。ゆっくり眺める時間はなかったが、どれも使い手の苦労や喜びを偲ばせるような、懐かしさを誘う手作りの品々だった。

 
Catchflybottle  その中の一つで、私の目を引いたのは、理科の実験に使うフラスコを二重にして上からつぶしたような格好の、ガラスの器(=写真)だった。そばに置かれていた説明書きに「ハエ取りビン」とある。私がまだ小さい頃、台所などに「ハエ取り紙」という粘着テープが下がっていたのを記憶しているが、「ハエ取りビン」というのは聞いたことがなかった。これは、その中に砂糖水か味噌汁を入れておくと、臭いにつられて飛んできたハエが、水の上にとまれないので溺れて死ぬのだという。私は、そのビンをよく眺めてみたが、どうしてそんなううまい具合にいくのかよく理解できなかった。しかし、そのために作られたビンなのだから、きっとある程度はうまく機能したに違いない。ただ、ハエ取り紙ほどには効果がなかったから、私が生まれてくる頃までには、「ビン」の方はなくなってしまったのだろうか?

 ハエ取り紙は、見た目が悪い。臭いに惹かれて飛んできたハエが、粘着式のテープにベタベタ貼りついたまま天井からぶら下がることになるからだ。その頃に併用されていたのは「ハエたたき」で、これは私も使ったことがある。ただ、バチバチと音をたてて、あげくの果てはハエをつぶしてしまうから、いかにも原始的な殺虫器具だ。そこで今は、殺虫剤をシューッと吹きかける方法に変わっているのだろうか? ここで疑問符を付したのは、私の家ではハエには殺虫剤を使わないし、ハエたたきもないが、よそさまの家では現在、どういう事態になっているのかよく知らないからだ。台所で殺虫剤を噴射するのは、自殺行為に近いと感じる人もいると思う。ハエたたきはいかにも残酷だ。わが家では、だから網戸によってハエを中に入れない工夫をしている。それでも侵入してくるハエは、追い払うほかはない。
 
 インターネットを調べてみたら、「ハエ取りビン」ではなく「蝿取り器」とか「蝿取り瓶」でいろいろ出てきた。そこから得た情報では、蝿取り器は、日本のオリジナルの考案で、明治か大正時代に家庭に普及したものという。岩手県にあるガラス工芸品の製造元では、今でも「復刻版蝿取り器」というのをネット販売しているらしい。ということは、やはりハエ取り効果があるということか。

谷口 雅宣

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