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2006年3月25日

韓国に女性首相誕生か?

 お隣の韓国に初めて女性の首相が誕生しそうだ。大統領は依然として男性の盧武鉉(ノムヒョン)氏だから、女性が韓国政治の“頂点”に立ったわけではない。しかし、同じ極東アジアの国として、女性の「No. 2」就任は画期的だと思う。このほど盧大統領に指名された韓明淑(ハンミョンスク)氏は、韓国国会の承認があれば正式に首相となる。今年1月には、南米のチリと西アフリカのリベリアに女性大統領が誕生したことは本欄でも触れた。ドイツ初の女性首相、アンジェラ・メルケル氏(Angela Merkel)の国際舞台での活躍は目覚しい。そして今回、韓国でも女性が首相になれば、4大陸で女性の活躍の場が広がりつつあることを示している。

 韓氏は、開かれたウリ党の国会議員で62歳。2000年に政界に入り、03年には金大中政権下で創設された女性省の初代大臣となり、現政権では03年に環境相を務めた。民主化と女性の地位向上を忍耐強く推進してきた経歴とソフトな調整力が認められて、今回の抜擢となった。韓国名門の梨花女子大学仏文科を卒業し、民主活動家の朴聖焌氏と結婚。79年には労働者や農民、低所得層の女性に社会主義思想をひろめたかどで反共法(後の国家保安法)違反で逮捕される。2年間の獄中生活を経験した後、韓国内の女性運動の組織化に奔走。87年には、20以上あった女性団体をまとめて「韓国女性団体連合」を結成した。2004年には国家保安法廃止のための法案の提出に携わったが、成立にいたらなかった。

 ということで、『産経新聞』は「政治家としては左派」で「米国の対北政策に批判的」という評価だが、『朝日新聞』は別の側面を書く--平壌に生まれ、6歳で朝鮮戦争を体験。一家で韓国側に逃れる。結婚直後に夫(現・大学教授)がスパイ容疑で投獄されたため13年間待ち続けた。また、御茶ノ水女子大学にも留学した与党では数少ない知日派で、韓日議員連盟の副会長を務めたこともある。しかし、「日本の歴史認識や憲法改正の動きへの批判は、厳しい」という。

 チリ大統領のバチェレ氏は、少女時代に投獄されて拷問を受けた経験をもつ。また、リベリア大統領のサーリーフ氏も、政治犯として2度捕らえられた経験をもつ。そう言えば、昨年ノーベル平和賞をもらったケニアのワンガリー・マータイ氏も、女性ながら政治犯として投獄された経験がある。ドイツのメルケル氏の経歴はよく知らないが、ロシア語に堪能というから、きっと変化のある少女時代を過ごしたのだろう。彼女たちの活躍は、一見「悪い」と思われる体験からも無限の可能性が引き出されることを有力に示している。それはもう、性別とは無関係のものなのだ。

谷口 雅宣

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