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2006年1月 2日

カルタ遊び

 元旦を神社の拝殿で迎えた方、山頂で初日の出を拝んだ方もいると思うが、私の場合はいたって普通である。朝食は、“里帰り”した子どもたちと共に一家5人でおせち料理を食べる。午前10時から東京・原宿の生長の家本部会館で行われる新年祝賀式に出席する。帰宅して年賀状を読む。返事を書くべき人がいればそうする。昼食を一家でいただく。近くの産土神社(穏田神社)へ参拝に行く。近所を散歩しながら、新年の到来を味わう。夜は、一家対抗の「カルタ遊び」をする。

 今回は、このカルタ遊びについて少し書こう。これを私たちは「キッテーノ」と呼んでいる。正式な名前は別にあるのだが、忘れてしまった。昔、祖母から教わった遊びで、小倉百人一首のカルタの絵札だけを使って4~5人でやるゲームだ。わが家のように5人でする場合は、100枚の札をよく切ってから1人当たりに20枚を配る。そして、プレーヤーは同種の札をそろえて場に出すことを順番に行っていき、持ち札がなくなった者が「上がり」である。この際、上手(自分の右側の人)の注文通りの種類と数の札を出さねばならない。出す時には「受けてーのぉー」と言い、札の表を見せて捨てる。上手から言われた種類の札を言われた数だけ持っていなければ「お通り」と言って、パスする。札を捨てることができた人は、次に自分の手持ちの札の中から適当な種類と枚数を選んで、「○○を何枚」と言って札の表を向けて出す。この種類と数が、次に下手(左側の人)が出すべき札となる。
 
 百人一首の絵札には、その歌を詠んだ人の絵が描かれている。それを見ると、服装や持ち物などから天皇、女帝、僧、公家、武士、女官などの身分や職業が類推できる。そういう共通項をひと括りにして、「台座」「姫台座」「坊主」「つね」「かんじゃ」「姫」などのニックネームで呼ぶ。これは、トランプで言えば「ハート」「ダイヤ」「スペード」「クラブ」に当たる。ただし種類はもっと多く、前掲の6種に加えて「耳矢架」「本矢架」「まめ」「なげ」などがある。「つね」や「かんじゃ」などの枚数は、トランプのように13枚と決まっておらず、1枚しかないものもあれば20枚以上のものもある。そんなまちまちの札をランダムに組み合わせた手持ち札20枚を、効率よく捨てるのを競うゲームである。
 
 このゲームを複雑に--したがって、より面白く--しているのが、「切る」という手続きだ。一部の種類の札には、「強い札」と「弱い札」が設定されている。そして強い札は1枚で、弱い札を何枚でも「切る」ことができる。つまり、上手が弱い札を何枚出すように求めても、手元に特定の強い札があれば1枚で代用できる。その際には「切ってーのぉー」と言って、強い札を1枚出せばいい。例えば、「つね」は「台座」で切れ、「姫」は「姫台座」で切れ、「耳矢架」は「本矢架」で切れる。

 このゲームでは、例えばこんな調子で会話が続く--

「つね7枚」
「切ってーのぉー。坊主3枚」
「受けてーのぉー。かんじゃ5枚」
「お通り」
「かんじゃ5枚、受けてーのぉー」
「…………」

 こういう独特の言い回しが何か“時代的”で面白く、元日という非日常にもふさわしい感じがして、成人して間もない子どもたちにも人気がある。説明が複雑になったかもしれないが、実際にやってみると案外簡単な、しかし奥の深いゲームである。

 元日の夜、私たちはこのカルタ遊びに夜が更けるのも忘れた。ゲームの名前をご存知の方がいれば是非、ご教示いただきたい。
 
谷口 雅宣
 

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