なぜか手帳ブーム
世界的に“手帳ブーム”が進行しているらしい。
今日(11月28日)の夕暮れ時、渋谷のロフトへ行ったら、地下1階の広いフロアーの3分の1以上が、各種手帳とそれを物色する客で溢れかえっていた。12月が近づくと書店や文具店に次年度の手帳が並ぶのは恒例だが、しかし今年は異常に多い。しかも立派な革表紙や布張り(タイシルクなどもある!)で、定価2千~3千円のものが珍しくない。「手帳はタダでもらう」などと思っていた時代が嘘のようだ。
夢をかなえるための「夢かな手帳」というのが爆発的に売れているらしい。実現したい夢や達成したい目標を手帳に記入して、それに向って自分で立てたスケジュールを手帳に書き込み、自分を励ましながら日々を過ごすためのパーソナル・アシスタントといった感じのものもあれば、超多忙のマルチ人間の時間管理のノウハウを、手帳を通して学ぶことで、何でもバリバリできると謳っているものなど、いろいろだ。手帳の考案者の名前を冠したものも何種類も出ている。コピーライターの糸井重里氏がインターネット上で発行している「ほぼ日刊イトイ新聞」を介して誕生した『ほぼ日手帳』というのは、2002年版からスタートして5年目になる。考案者は日本人だけでなく外国人もいるようだから、世界的にも同様の現象が起こっているのだろう。
私は過去何回か手帳を付けようと試みたことがあるが、長続きせず諦めていた。毎日、その日の出来事や予定を記録するというような細かい作業が多分、苦手なのだ。その代わり、「小閑雑感」シリーズなどを書き、就寝前には簡単なメモ程度の日記をつけている。ところが最近、“旅する手帳”というのに参加した。普通、手帳というのは持ち主が1人いて、その人が最初から最後まで使う。が、この手帳には持ち主がいなくて、多くの人が書き込んでいくらしい。しかも面白いのは、この手帳には「良いこと、楽しいことだけを書く」という条件が付いている。内容は自由で、絵でも文章でも写真でもコラージュでもいいが、記入したら誰か別の人に回して、手帳を埋めていくらしい。もう一つの特徴は、インターネットと連動していることだ。手帳に記入したものをスキャンして主催者に送ると、サイトに掲示してくれる。だから、手元に手帳がなくても、それが誰に渡って、どんな記入があったかがどこからでも分かるという仕組みだ。
この“旅する手帳”に使われているのは、外国製の革表紙の「MOLESKINE」という、知る人ぞ知る、マニアの多い手帳だそうだ。私も一度それに記入して気に入ってしまい、自分用に大小2冊購入した。今は時々、それを手頃なスケッチブックとして使っている。この“旅する手帳”のサイトを見ると、これと同じ発想のものが、最初はアメリカで始まり、今や全世界を回っていることが分かる。
ところで、昔から生長の家には定価530円の『奇蹟の手帳』というのがある。これは、谷口雅春先生が監修されて昭和54年に初版が発行され、現在第43版というロングセラーだ。この分野でも生長の家は先進的だったのだから、これにさらに工夫を加えれば、現在の手帳ブームに乗って“大化け”する可能性があるのではないか。3500円(革カバーは6800円!)もする『ほぼ日手帳』は昨年7万部を売り、2006年版は10万部に迫る勢いだというのだから……。
谷口 雅宣
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コメント
私自身も最近までMOLESKINEという手帳の存在を全く知りませんでしたが、「旅する手帳」の企画に幸運なことに参加させていただくきっかけをいただき、今では2冊のMOLESKINE手帳を愛用しています。
10月には、東京都内で行われたMOLESKINE手帳の展示会に行き、様々なアーティスト、俳優さんもMOLESKINEを愛用していることが分かりました。
知る人ぞ知るMOLESKINE手帳を使った「旅する手帳」→これからもっともっと多くの人たちの手に渡り、悦びの渦を巻き起こしていくのではないかと思います!
投稿: 森下紗由里 | 2005年11月29日 10:39