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2005年11月11日

慶 祝 の 幟

 今日の関東地方は終日曇天で肌寒い一日だったが、午後のジョギング後は爽快な気分で、雲も薄まって青空が透けて見えるように感じた。立冬を過ぎると、日が短くなったことが一段と感じられるが、そんな夕方の町を、トレーナー姿で早足で仕事場へもどる私の目の前に、細いポールから白い布片が垂れ下がっていた。マンションの2階のベランダから水平に出たポールの先に、細長い幟が下がっていて、「慶祝」という言葉の下に人の名前が「○○○○さん」と縦に書いてある。どこかで聞いたような男性の名前だが、思い出せない。特段珍しい名前や芸能人の名前でもなかったから、「このマンションの部屋の人が結婚したのを祝うために、親戚か友人が贈った幟だろう」と考えた。

 そこは、大通りからやや隔たった静かな路地にあるマンションだから、晴れがましい幟はよく目立つのである。「もの好きな人もいるものだ」と思いながら、マンション脇の角を曲がると、今度は路地の対面の建物からも、同じ幟が突き出ていた。さらに数メートル行くと、同じマンションの玄関口の側に、同一の幟が3階からも4階からも所狭しと下がっているではないか。私は「これはちょっと普通ではない」と身構えながら歩いた。そして、この奇妙なマンションとは反対方向にさらにもう一つ角を曲がった。そこには、5階建てほどの高さの別のマンションがあるが、そこは文字通り“満艦飾”だった。各戸のバルコニーから同じ白い幟が垂れ下がっているのである。私は唖然として、周囲を見回していた。

 この満艦飾のマンションには、数年前から警察官が守衛として立つようになっていた。私の家の近くには宮沢喜一元首相の自宅があって、宮沢氏が政治を動かしていた頃は常に警察官がそこに張りついていた。だから、このマンションにも誰か重要な政治家--たぶん小泉政権の閣僚クラス--が住んでいるのだ、と私は思っていた。しかし、政治家とこの晴れがましい幟とはどうも似合わない。そこで意を決した私は、問題のマンションの敷地の隅に立っている中年の警察官のところへ歩み寄り、
「すみませんが、この○○○○っていう人は誰ですか?」
 と聞いた。
 警察官曰く--
「あの紀宮さんと結婚する人ですよ」
「ああ、そうですか。あの人ここに住んでるんですか!」
 私は納得した。
 こんな近くに“話題の人”が住んでいることなど全く知らなかった。都会では、こんなことがしばしば起こるのかもしれない。散歩でよく顔を見る人が、自分の知らない“有名人”だったりする。そういえば、東郷神社近くのレストランで音楽家の小澤征爾氏と鉢合わせしたことがある。そんな意味でも、興味の尽きない場所である。

 紀宮さまはこの15日に結婚される。私も「慶祝」の思いを込めてそのマンションを見上げ、これからのお二人の生活を思った。どこかで鉢合わせする可能性に期待しながら……。

(ところで、後日判明したことだが、“お二人の生活”の場はこのマンションではないようだ。マスコミ情報では、そこは「神田川沿いの賃貸マンション」らしいから、ここは11月15日まで○○○○さんが住んでいたところ、ということになる。)

谷口 雅宣

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コメント

半年前の4月、皇居の勤労奉仕で天皇皇后両陛下、そして紀宮殿下に直接お会いすることが出来ました。
紀宮殿下は、非常に清楚な方で、心あらわれる思いが致しました。

誰が言っていたかは忘れてしまいましたが、本部の職員の女の子が竹下通りで黒田さんにお会いしたと言っていました。

投稿: 森下紗由里 | 2005年11月14日 11:06

森下さん、

 今後は、もう少し頻繁にお遭いできるかもしれませんね。でも、新聞記事によると、新しいマンションが完成するまでの“仮の住まい”のようですね。

投稿: 谷口 | 2005年11月14日 16:25

“仮のお住まい”なんですか!
新しいマンションも原宿近辺なんでしょうか?

私も、ぜひお二人にお遭いしたいです!

投稿: 森下紗由里 | 2005年11月15日 00:32

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