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2005年10月27日

ハローウィン・カボチャ

 ハローウィンが近づいてくると、街の花屋やデパートには橙色のカボチャが飾られる。私が子供の頃は、ハローウィンという言葉自体があまり聞かれなかったが、近ごろはこのアメリカの習慣がずいぶん日本にもなじんできたようだ。子供がまだ小さい頃、私は青山の紀伊國屋や西麻布のナショナル・スーパーマーケットへ行って中型のカボチャを買い、家でその中身をくり抜いてカボチャ・ランタンを作った。そして、ハローウィンの夜には、私と子供はシーツを頭から被ったり、ゴム製の怪獣のマスクなどを被って家の外へ出、庭から家人を脅かしたり、隣家へ行って「Trick or treat!」と叫んだ。隣家の住人である私の母は、最初はこの悪ふざけが何のことか分からないようだったが、そのうちに飴玉などを用意して孫の相手をしてくれるようになった。

 子供がみな成人して家からいなくなった今は、そんな楽しい記憶を反芻しながら店に飾られた橙色のカボチャを眺めるだけである。1週間前、青山の大丸ピーコックへ妻と行ったとき、直径10センチほどの小型のカボチャが売られていた。一度その前を通り過ぎたが、その美しい橙色と手ごろな大きさ、そして「200円」という安さが忘れられず、つい買ってしまった。カボチャの表面には、黒い粘着テープのようなもので目鼻口が貼ってある。こんなインチキな方法で済ませるのではなく、ちゃんと中をくり抜いてランタンにしてやろう、と思った。もう子供はそばにいないが、“私の中の子供”が昔の遊びをしてくれとせがんでいたのかもしれない。

CL-Oct2005

 今日の夕方、1週間前にたてた計画を実行した。ちょうど数日前、妻が購読しているアメリカの家庭雑誌『Country Living』(田舎生活)の10月号が届いていて、ハローウィン特集をやっていた。その表紙の橙色の文字、文字の下に並んだ橙色のチョコレート・カップケーキを見ていたら、同じ色のカボチャの工作が無性にしたくなったのだ。カボチャは皮も実も柔らかく、工作は切出しと彫刻刀とスプーンを使って難なくできた。妻が小さなロウソクの燃えさしを探し出してくれたので、それを空洞になったカボチャの中へ入れ、火をつけてみた。カボチャの頭は、なかなか趣のある輝きを出して光った。

JackoLan

 ところで、ハローウィン(Halloween)の hallow とは、アングロ・サクソン語で「聖徒」(saint)を意味する。キリスト教の諸聖人の祝日が「万聖節」で11月1日に祝うが、この前夜祭である「All Hallows' Even」がつづまって「Halloween」と呼ばれるようになったという。が、もともとの起源はそれより古く、古代ケルト人が死の神・サムハインを讃える祭から来たらしい。ケルトの地から地球を半周して日本へ来ると、もともとの意味はほとんど失われ、カボチャと仮装行列を前面に出した“大お化け祭”のようなものになりつつあるようだ。しかも、バレンタインデーの後を狙ってか、ディズニーランドやユニバーサルスタジオ、六本木ヒルズなども特別グッズや催し物を大々的に行うようになった。私の住む東京・原宿の表参道は、日本でのハローウィンの“発祥地”を自任しているが、今年は30日(日曜日)に地元の商店街主催で23回目の仮装パレードを実施する予定だ。

谷口 雅宣
 

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コメント

 私も3年前に一度スイカくらいの大きさのカボチャを彫ってランタンを作ったことがあります。今は一番下の子供が怖がるのでしません。飾り付けは、最小限度します。飾りがない家はトリック&トリートに来て欲しくないという意味として私の住んでいる地域では理解しているようです。
 南部出身の人がいっていましたが、彼の出身地ではサンクスギビングよりもこちらの方がより熱心に飾り付けをしてお祝いする人が多いようです。サンノゼにも結構、クリスマスのように大げさな飾り付けをする家もちらほらあります。
 一昨年だったが、10歳から12歳くらいの女の子だったと思いますが、お菓子は入らないからお金をくれ、と言われたのを思い出しました。そういえば、ニューヨークでも一度<1ドルくれ>と言われました。
 私の子供たちは、今日学校でハロウィーンパーティがあるので、朝からせっせと着替えをもって出かけていきました。コスチュームを着れるのが一番嬉しいようです。

川上 真理雄 拝

投稿: Mario | 2005年10月29日 01:20

川上さん、

 フーム……。アメリカの子供たちもタフになってきましたね。日本でも一時「同情するなら金をくれ」という言葉がはやりましたが。

投稿: 谷口 | 2005年10月29日 10:33

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