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2005年8月 4日

ペットボトルの水

 生長の家の国際特別練成会で講話をするというので、ニューヨークに来た。時差で頭がボーッとしているが、とにかく無事に来られたことは有り難い。

「何を大袈裟な」と思う人がいるかもしれないが、日航のジャンボ機がJFK空港に着陸するために滑走路が近づき、高度がぐんぐん落ちていくのをビデオ画面で見ていたところ、何を思ったのか突然、搭乗機が着陸をやめて機首を上げたのには驚いた。そして、機長曰く--「先行機との距離が近かったので、最着陸します」。ちょっと待ってくださいよ。着陸の許可をした管制官は、何をしていたんですか? いやはや外国へ行くと、日本では経験できなことを経験するものだ。それも「いきなり」である。もう一つの初体験は入国審査のとき、左手、右手と人差し指の指紋を採られ、顔写真も撮られたこと。でも、入国審査官は入国者の心証を気遣ってか、明るく冗談を交えて話す。「カンコー?」と大声で言って「観光」目的かどうかを確かめ、指紋の読み取りが難しいといって「指の腹で額を何度もこすってから、読み取り機に置いてよ」と言う。写真機はデジカメらしく、ストロボも何もなく、球形の一つ目小僧のようなカメラで瞬時に撮影を終えた。

 ニューヨークの気温は34~35℃などと言われていたので暑さは覚悟していたが、東京より若干乾燥しているので、戸外を薄い上着を着ても歩けるのが有り難い。東京では“クールビズ”姿のビジネスマンを多く見かけたが、マンハッタンではちゃんとしたスーツにネクタイ姿が普通である。ペットボトルを持った人々が多いのは、東京と同じである。このペットボトル入り飲料水のことで、エコノミスト誌の編集者、トム・スタンデージ(Tom Standage)氏が8月2日付の『ヘラルド朝日』紙に批判文を書いていた。「地球環境に有害だ」というわけだ。

 水道水より“健康的”だというのは宣伝に乗せられているだけで、科学的に分析してみるとペットボトルの水はバクテリアも多く、ミネラル含有量も水道水と大差ないそうだ。味見のテストをしても、水道水とペットボトルの水を区別できる人はいないそうだ。しかし、持ち運びが便利で、何となくカッコイイということで、先進国で大流行しているのだ。そのために大量の水が遠方から船で運ばれ、石油からペットボトルが大量に製造され、その製造や処分のために熱やCO2が出る。この需要がある先進国では水道施設が完備しているのに、人々はそれを飲まずに、ガソリンより高い料金を払ってペットボトルの水を飲む。これほどのムダがあるだろうか、というわけだ。ペットボトル入り飲料水が本当に必要なのは、水道設備が整っていない途上国の人々である。なぜなら、運搬に便利で、小口の需要に対応できるからだ。が、そういう国では、ペットボトル入りの飲料水は高すぎて買えない。いったい誰が値段をつり上げているのか?(もちろん、我々先進国人だ)--そういう内容である。

 この論説を読んでから、ペットボトルの水を飲みにくくなってしまった。だが、ニューヨークの水道水は「おいしい」とは言えないし、腹がゴロゴロした経験もあるので遠慮している。こちらでは、水の値段がガソリンより高いということは知らなかったが、産地を選んで買うのではいけないだろうか。そう思って、ホテルの近くのドラッグストアーで探してみたが、残念ながらアメリカ産は見つからなかった。

 ところで、私は日本ではいつも、浄水器を通した水道水をペットボトルに入れて飲んでいる。これだと、スタンデージ氏の批判するような地球環境への悪影響は最小限に抑えられるのではないか。しかも、きわめて経済的である。

谷口 雅宣

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コメント

谷口雅宣先生
暑中お見舞い申し上げます。国際特別練成会へのご出講ごくろうさまです。
「エコライフのすすめ」をトラックバックさせていただきました。記事中のメール”ちっちゃなエコ”は、MA’に住んでいる末娘が「理想世界ジュニァ版5月号」に投稿したものを引用しました。それ以来、「さよなら自販機」とマイボトルを持ち歩くようななりました。 橘 正弘 拝

投稿: 橘 正弘 | 2005年8月 5日 07:38

Thank you very much for your yesterday's lecture. I am accessing from the Edith Macy Center's computer located in the lobby. This is free access; therefore, I was able to read and enjoy your article. This center's room also provide a bottled water for making coffee in the room.

By the way, it's about 5:30AM in the morning, and Janet is already here because she enjoyed swimming in the outside pool of this center. She recognized the swimming pool in this center when she attended the several seminars held in this center in the past; therefore, she brought her swim suit this time. She enjoyed both seminar and center's facilitiy...very practical...

mario

投稿: mario kawakami | 2005年8月 7日 18:51

橘さん、

 「マイボトル」の発想はいいですね。
 私も外出するときは、浄水器に通した水道水
を使用すみのペットボトルに入れて持って行く
ことがあります。

 それにしても、自動販売機の多さ、どうにかならないでしょうかね。

投稿: 谷口 | 2005年8月 8日 06:20

Mario-san,

Welcome from New York!

I did not have time to access the Internet from Edith Macy Conference Center. But now that the entire program was over I can write here.

Thank you for your great work and many,
many cooperation.

投稿: 谷口 | 2005年8月 8日 06:24

谷口 雅宣 先生

 リーダーのための特別練成会が大成功のうちに終了したことと拝察いたします。

 我が家では、昨日、高校一年生の長男と、中学校二年生の長女が、河口湖で開催された高校生練成会と中学生練成会から帰ってきて、練成会のことをいろいろと話してくれました。

 さて、私も、90年代前半に、シカゴ・オヘア空港で、同じようなことを経験しました。さあ、そろそろ着陸だと思って、飛行機が次第に高度を下げるのですが、途中で何の前触れもなく、また飛行機が上昇したのです。このようなことは、遊園地のジェット・コースターならともかく、飛行機では経験したくありませんね。

 それから、先生が紹介されていたペットボトルの記事を読ませて頂き、つくづく考えさせられました。まだまだ日常の何気ない選択や行動が、全体へ如何に影響を及ぼしているのか、常に神意を生きる必要があるのだと、自分自身に言い聞かせております。

 では、お元気でご帰国されることをお待ちしております。

 高 義晴 拝

投稿: 高 義晴 | 2005年8月 8日 11:59

高さん、

 富むものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなる、という言葉が聖書にも書いてあったと思いますが、いろいろ考えさせられますね。

 それと、生長の家の海外の信徒数の情報、ありがとうございました。「激励の挨拶」で使わせてもらいました。Thank you!

投稿: 谷口 | 2005年8月 8日 12:55

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» エコライフのすすめ [きみたちの未来]
 マイブログに「ちっちゃなエコ」のタイトルでメールが届いた。ストップ温暖化のために、日頃の生活スタイルを見直せば、簡単にエコライフに切り替えることができるんだなあと感心した。  メールを紹介するとマイボトル(水筒)を持ち歩いています。  ペットボトルをリサイクルするにしても膨大なエネルギーが使われていると聞いたから。  それにいろんな飲み物があるけど、最終的にホッと一息、おいしいっ�... [続きを読む]

受信: 2005年8月 5日 07:21

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