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2005年6月24日

世界での日本の好感度

 今日(6月24日)付の『ヘラルド朝日』紙に、2001年9月のアメリカでの同時多発テロ以後、世界の人々のアメリカに対する態度がどう変化しているかを調査した結果が掲載されていた。見出しは、「アメリカへの暖かさもどる、疑念は続く」というもの。アメリカを含む17ヵ国に住む1万7千人近くを対象にして、アメリカの調査機関が今年の4~5月に行った調査をまとめたものだが、2002年の調査(9・11直前の調査)との比較でここ3年間の「態度の変化」が分かる点が興味深い。それによると、対象となった16ヵ国のうち、2002年に比べて「好意度」が向上したのはわずか3ヵ国で、他の13ヵ国の好意度は減少している。ただし、2003年の調査時と比べて好意度が向上している国が7ヵ国あるため、見出しにある「暖かさもどる」という表現になったようだ。対象国はカナダ、イギリス、オランダ、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランド、ロシア、インドネシア、トルコ、パキスタン、レバノン、ヨルダン、モロッコ、インド、中国だ。

 記事にはほかにもいろいろなデータが載っていたが、あくまでもアメリカ人読者向けの記事になっていたので、日本のことはほとんど書かれていない。ただ一つ、「よい生活をするにはどこへ行けばいいか」と若者に聞かれたとき、どこの国を推薦するかとの質問に対する回答に、日本が出てきている。それは、「インドネシア人の24%が日本を推薦する」というデータだ。アメリカを推薦するのはインド人(38%)だけで、先進諸国ではオーストラリア(豪)とカナダ(加)を推薦する人が多く、それぞれイギリス人は31%(豪)、カナダ人は18%(豪)、フランス人は14%(加)、ドイツ人は11%(豪/加)、オランダ人16%(豪/加)、アメリカ人16%(加)だった。

 これだけでは面白くないので、この調査を行った機関のウェッブサイトへ行って調べてみると、日本に関する面白い情報があった。それは、日本の好感度が先進諸国の間でよいことである。「よい」というのは、アメリカに比べても良いということだ。日本について好感を抱いている人の割合は、カナダ人の75%、英国人の69%、フランス人の76%、ドイツ人の64%、スペイン人の66%、オランダ人の68%、ロシア人の75%、ポーランド人の60%、そしてアメリカ人の63%である。これに対して、アメリカについての好感度は、それぞれ59%、55%、43%、41%、41%、45%、52%、62%、83%である。つまり、上に挙げたすべての国で、日本がアメリカよりも好感をもたれているのだ。しかし、中国の場合は大きく異なり、日本に対して好感をもっている中国人の割合はわずか17%だ。その他のアジアの国の数字を挙げれば、日本に好感をもっているのはトルコ人が55%、パキスタン人が49%、レバノン人が72%、ヨルダン人が46%、インドネシア人が85%、インド人が66%である。

 もう一つ興味あるデータは、中国に対する好感度だ。これは、(驚くべきことに)アメリカより良く、日本よりわずかに悪い。具体的には--カナダ人の43%、英国人の65%、フランス人の58%、ドイツ人の46%、スペイン人の57%、オランダ人の56%、ロシア人の60%、ポーランド人の36%、アメリカ人の43%、トルコ人の40%、パキスタン人の79%、レバノン人の66%、ヨルダン人の43%、インドネシア人の73%、インド人の56%が中国に好感をもっているそうだ。

 アメリカは9・11後のアフガン侵攻、そして国連を無視したイラク戦争、京都議定書からの脱退など、世界から批判を招く政策を繰り返してきたことが不人気の原因だろうが、日本の“人気上昇”はどうしたことか? これはきっと、アメリカの政策に賛成してきたからではなく、もっと別の原因があるに違いない。恐らく長年の通商・外交政策と、日本国民の努力の積み重ねだ。現在、日中・日韓関係が難しい局面にあるが、そこでの判断を誤るとこうした貴重な成果を崩すことにもなりかねない。単なるナショナリズムの鼓吹ではなく、為政者の大局的判断に期待したいものだ。

谷口 雅宣

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コメント

 大変興味深く読みました。
 私は、日韓の歴史観の懸隔を狭めるために、西欧諸国などの第三者の介在を主張しています。
 おそらく、私の主張とこの記事内容は響きあうものがあると思います。

投稿: 坂竜旅人 | 2005年6月25日 00:55

坂竜さん、

 西欧諸国の介在……ですか。いいかもしれませんね。でも、小泉さんはイヤがるでしょうね、残念ながら。

 コメント、ありがとうございます。

投稿: 谷口 | 2005年6月25日 12:05

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