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2005年6月12日

梅の実色づく

5月9日の本欄で、私の家の庭にある紅梅の木から実が屋根に落ちて驚いたことを書いた。その音は一時静まっていたが最近、再びするようになった。今度の音は、もっと大きい。前回の音は未熟な実が落下する音だったが、今回のは枝に残った実が成熟して落ちるからだ。梅の実は成熟すると緑から黄緑色に変わり、中にはアンズに近い黄色になるものもある。家の梅は紅梅だから、木の枝に赤みが差しているだけでなく、実の枝に近い側もほんのりと赤みが差している。直径3センチほどになったその実が、サンルームのアクリル・ガラス製の屋根に当ると「ターン」と弾けるような音がする。

PlumFruits

5月から1ヵ月間で、いったいいくつの実が落ちたのかと思う。今年は例年よりはるかに多くの実が落ちた。その理由は、今年は枝の剪定をしなかったからだ。例年は、5月の生長の家全国大会後に妻が剪定を依頼する。今年はそれを省いた。妻に聞くと、剪定をしない方が夏場に日陰ができて涼しいからだという。この季節は、スーパーでも梅の実を売っている。1キロ千円ぐらいだ。梅酒や梅干を作るセットも一緒に並んでいると、何となく作りたくなるものである。妻は庭に落ちた梅の実を5~6個拾って底の浅い器に入れ、さらに実のついたままの梅の枝を切ってきて花瓶に差した。それを見た私が「梅酒をつくろうよ」と言うと、「もうあるわよ」と言われた。去年買って浸けたのがあるのだという。

花と実の双方が楽しめる植物が近くにあることは、実に有難い。自然の恩恵を身近に感じる。そう言えば、今年はビワの木を剪定してもらったら、なぜか実がいっぱいついた。それが今、黄色くなりだしている。ブルーベリーも、昨年はかなり虫の害に遭ったが、今年は大いに実をつけて色づきはじめている。こうして植物たちが、確実に実りへの道を進んでいることを思うと、人間の自分は去年からどれだけ前進しているのか、と反省させられるのだ。

梅の実の色づきて知る時速し

谷口 雅宣

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