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2005年5月16日

もっとムダをなくそう

 長い曇天を抜け、久しぶりの青空の中、春光に満ちた爽やかな1日だった。東京の気温は20℃前後で風は爽快、寒くもなく暑くもない。こういうのを“最高の季節”と言うのだろうか。関西以西では、すでに“真夏日”を経験した所もあったようだが、幸か不幸か関東地方は“冷夏”ならぬ“冷春”が続いている。地球温暖化は確実に進んでいるのだから、これから一気に夏の暑さが訪れるのかと思うと、不気味ではある。

 5月6日の本欄で、ガソリン高騰のあおりを受けてSUV(多目的スポーツ車)の売り上げが不調なGMとフォードの“苦境”について触れたが、その後、ハイブリッド技術と燃料電池の両面でトヨタとGMが提携を強化する話が進んでいる(15日)。また、欠陥車問題やリコール隠しで評判を落とした三菱自動車が、起死回生を狙って電気自動車で勝負するとの話も伝わっている。こうして環境技術が様々な方面で利用されていくことは大いに歓迎したい。しかし、「技術」だけではこの問題の解決は難しい。現代人の生活には、現有の技術の下でもムダが多すぎるからだ。このムダは即ち、温室効果ガスの「余分な」排出を意味している。だから、ムダを省くことは環境保全運動でもあるのだ。

 先進国での人々の食生活のムダの多さはよく指摘されるが、昨日(5月15日)の『朝日新聞』には、それを数字で表した驚くべき調査結果が掲載されていた。それによると、アメリカでの食品は、収穫→流通→食卓の過程で40~50%がムダに捨てられており、それによる経済損失は約1千億ドル(10兆7千億円)に上るという。この数字を一般家庭(4人家族)に置き換えると、1日にムダになる食料は約580グラム。1年では212キロで、金額にすると約590ドル(約6万3000円)になるそうだ。日本の数字は、国内のレストランと食堂で摂る食事の3.3%が食べ残される。アメリカの数字と比べると随分小さいようだが、調理前の段階も含む「食品のムダ」と、調理後の「食べ残し」とは違うから単純に比較できない。そして、レストランと食堂、そして家庭での食事のすべてを含めると、日本人の「食べ残し」の総額は約11兆円というから、決してアメリカを批判できない。

 ところで、この問題ではアメリカにも心ある人が大勢いるようだ。ブッシュ大統領が「京都議定書」に袖を振って以来、アメリカでは環境保護派が鳴りを潜めているのかと思ったら、「国がやらないなら市でやろう」という動きが盛り上がりつつあるという。今日(5月16日)付の『ヘラルド朝日』紙の伝えるところでは、シアトル、ロサンジェルス、ニューヨークなど131の市は、京都議定書でのアメリカの約束だった温室効果ガス削減目標(2012年を目標に、1990年のレベルから7%削減)を達成するために動き出しているそうだ。これらの市は35州にまたがり、抱える人口は2900万人。その削減方法もいろいろあって、シアトル市では港で燃料補給中の客船にエンジンを止めさせたり、ソルトレーク・シティーでは風力発電所から大量に電力を購入したり、ニューヨーク市では市の公用車をハイブリッド車に切り替えたりしているという。

 生長の家でも今年度から、日本各地の教化部や練成道場を対象として、日本が京都議定書で約束した温室効果ガス削減目標どおりに、二酸化炭素の排出削減を実施しようと取り組んでいる。願わくは、この動きがもっともっと多方面に、大規模に広がっていってほしい。

谷口 雅宣

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