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2005年5月26日

環境対策2題

買い物の際、代金をレジで支払うと商品を入れてくれる“レジ袋”を、有料にする動きがあるという。生長の家では、青年会がこのレジ袋削減運動を強力に進めているが、国も京都議定書の目標達成との関係で、プラスチックごみの削減に本腰を入れはじめたようで、うれしいニュースである。5月24日の『産経新聞』によると、環境省は来年の通常国会を目標に、容器包装リサイクル法を改正してレジ袋の有料化を盛り込むことなどを検討しているという。また、ガソリンに代わってバイオマス燃料であるバイオエタノールの活用が注目されだした。こちらも、今年の生長の家の全国大会(相愛会・栄える会合同全国大会)で紹介されたから、ご存知の読者も多いと思う。

レジ袋の削減の難しい点は、今までタダでもらっていた袋を有料化することに対する消費者の抵抗だろう。それから、商店にとっては、他の店が無料であるなら自分の店も無料にしないと“客離れ”が起こるという問題がある。だから、全国の主要スーパー約100社が加入する日本チェーンストア協会は5月20日総会を開き、レジ袋を法律で有料化するように国に求めるという方針を打ち出した。(5月21日『朝日』)上述の環境省の動きは、この決定を受けた形になっている。しかし、法律によって商店のサービスの程度を決めるというのは、変わった考え方だ。また、環境税なり炭素税を実施するつもりならば、それとの関係で消費者から“二重取り”する危険性はないのかどうか確認したい。

わが家では、妻がかなり前から“マイバッグ”運動を進めているので、国による全国展開は遅きに失した感はあるものの、大いに歓迎したい。が、重要なポイントは、国が法律によって有無を言わさず金を取るのではなく、消費者自らが「レジ袋の過剰使用は環境に有害だ」と自覚し、それでも必要なときは「環境へのコストを自ら負担する」と理解して金を出すようになることだろう。そういう意味で、レジ袋削減運動やマイバッグ運動は、これからも大いに推進していく必要があると思う。

さて、バイオエタノールの話だが、上述の全国大会で発表した日系ブラジル人の高崎・ルイス・アントニオ氏によると、これはブラジルではすでに30年の歴史をもつ燃料で、同国ではガソリンと混合して自動車を走らせている。そういう仕様のエンジンをフォルクスワーゲン社などが開発し、何も問題なく動いている。それだけでなく、サトウキビから作られるものだから、それを燃やしても温室効果ガスの排出増加にはならないのだという。この言い方は分かりにくいと思うので、少し説明しよう。

植物は光合成によって、大気中のCO2を取り込み酸素(O2)を出すことが知られている。二酸化炭素の化学記号である「CO2」から「O2」を取り除くと「C」(炭素)が残る。つまり、植物は、成長するときに大気中にある炭素を自分の体内に取り込んで固定するのである。それを原料としたバイオエタノールは、燃やすことでCO2を排出することはするが、それはもともと既に大気中に存在したCO2だから、「新たに排出する」ことにはならないというわけだ。これに比べて、化石燃料であるガソリンや重油は、太古の昔に大気中にあったCO2を植物や動物が地下に固定したものだから、これを燃やすことは大気中にCO2を「新たに排出する」ことになり、温暖化の要因になるわけだ。

だから、ガソリンや重油を使うよりは、ブラジル産のバイオエタノールを使う方が地球温暖化防止に役立つことになる。また、このサトウキビからエタノールを抽出した後の残りかすは、ブラジルでは発電燃料に使われているというから、この場合も石油による発電より環境負荷が少ないといえる(輸送用の船がこの燃料で動けばなおいい)。5月26日の『産経新聞』は、来日するブラジルのルラ大統領に対して、小泉首相が同国産バイオエタノールの輸入促進に協力する意向を伝えると報じている。これもいいニュースだ。環境保全運動が経済活動と両立することを示す、よい例でもある。

谷口 雅宣

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コメント

おはようございます。
検索エンジンで「小閑雑感 Part 4」を見つけ、思わずうれしくなってTBさせていただきました、京都の橘 正弘です。「並みの爺さんじゃない」を看板に、いろいろ気楽にブログしています。これからも押しかけることもあるかと思いますが、よろしくお付き合いください。
サッカーの”ボランチ”のように縦横無尽にweblogで動き回りたいと念願しています。ありがとうございます。G3こと橘 正弘拝

投稿: great-something001 | 2005年5月30日 07:34

 中華民国教化総長を拝命しています森田正紀と申します。

 去る2月に赴任のための挨拶と住宅探しで台北に行きました。そこで教区の人へ土産をいくつか買いました。日本では3点買うと3つの袋が貰えるので、「袋をあと2つ下さい」というと、「有料です」と言われ、ビックリしました。
 4月から台北での生活が始まりましたが、スーパーマーケットに手ぶらで買い物に行きましたら、袋をくれないので催促すると「2元です(1元は約3.4円)」とお金を取られました。袋は日本のスーパーで貰うものよりしっかりとした、「2元」に値するいい物でした。これはコンビニでもそうです。弁当を買ってもレジ後は全部裸のままの引き取りです。シールも貼らないのです。
 これに関しては、台湾は環境問題が進んでいると感じました。以来、買い物には袋を持参するようになりました。
 謝謝。

投稿: 森田正紀 | 2005年5月30日 13:56

森田さん、

 台湾での目撃情報、ありがとうございます。
 環境意識のなせるわざでしょうか? 台湾の人々を見直しました。

投稿: 谷口 | 2005年5月30日 16:00

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受信: 2005年5月29日 13:13

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