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2005年4月 5日

軍用燃料電池車

4月1日の本欄で、米軍の多目的車「ハムビー」のハイブリッド版「Shadow RST-V」の話を紹介したが、アメリカはさすがに技術大国らしく、軍用車両にはハイブリッド車だけでなく燃料電池車の導入も考えているらしい。

4月5日の『産経新聞』によると、アメリカは今後5年間で計1億5800万ドル(約170億円)をかけて、官民共同で燃料電池車の開発を強化する計画をもっている。実用化のターゲットは2020年。GMとダイムラー=クライスラーは、政府と折半で8800万ドル(約95億円)を出資して、今後40台を開発して実証実験を行う。そして、軍と共同して、ピックアップ・トラックの燃料電池化を目指すのだという。軍がそれをする理由は、「燃料電池車は騒音や排ガスが出ず、敵に察知されにくいため、戦場での優位性がある」からだという。

そう言われれば、燃料電池車の動力は電動モーターだし、そこからの排出物は「水」だけだから、静かでクリーンには違いない。が、値段が1億円以上するから……と考えてきて、ハッと気がついた。軍の装備には、値段はあまり関係ないのだった。だいたい今の「ハムビー」だって、商用車に比べれば相当な値段に違いない。だから、アメリカの軍用車は、これからはジーゼルと電気とのハイブリッド化を進め、最終的には燃料電池車に切り替わっていくに違いない。石油の生産量が減少をはじめると予測されているのは「2010~2020年」だ。「2020年」という開発目標は、その最終年にピッタリ合っている。

しかし、同じ記事には、米エネルギー省がBPやシェルなどの石油資本と共同で、水素供給スタンドをアメリカ主要都市に設置する計画があると書いてあるから、水素の原料としてはやはり化石燃料を考えているのだろう。これって、何かオカシイ気がする。車の燃料の大元が同じならば、結局、化石燃料の奪い合いが続くことにならないだろうか?

それはともかく、アメリカの燃料電池車への意欲は大きいようだ。今、議会で審議されているエネルギー法案では、今後5年間に12億ドルをこのために投入するという。

谷口 雅宣

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