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2005年3月31日

古い家族写真

MT18orso1週間前に買ったスキャナーを箱から出した。

「何でもデジタル時代」ということで、昔撮影したフィルムも劣化前にデジタル化すべし、などと書いた記事を読んだのが頭に残っていて、先週、近所の家電量販店でそれを買った。年度末の忙しさもあってそのままにしておいたのだが、今日は休日だったので、やっとそれを箱から出して、パソコンにつないだ。この機種を選んだ理由は、35mmのネガフィルムを直接、半ば自動的にスキャンする装置が付いていたからだ。ソフトやドライバーのインストールを済ませ、やっと使い方が分かったので、部屋の天袋の奥にしまってあった、古いネガの詰まっている箱を出してきた。

テストのつもりで、最初のネガはアット・ランダムに取り出した。35mmは小さいし、カラーの反転したフィルムには何が写っているのか分からない。スキャンしてみると、それがフルカラーでパソコンの画面上に現れる。何コマかの前後関係から判断すると、それは35年ぐらい前の正月に撮った一連の写真だった。家族で正装し、近くの産土神社に一緒に出かけた様子が写っている。祖父母も両親も一緒だから、総勢8人だ。男は大人がモーニング、子供は紺か黒のスーツ、女は大人が留袖で子供は振袖姿だ。「子供」とは書いたが、私が18~20歳のころだ。

一連のコマの中には、一部変色して黄色い斑点があちこちに浮かんでいるものも多い。細かい糸くずのようなものが付着しているものもある。が、とにかく35年前の私たちの生活の一部が、色付きできちんと保存されているということが、なぜか新鮮な驚きだった。記憶からは失われているかつての人生の一コマ、一コマがここにある。古い写真アルバムを見れば同様の体験をするのだろうが、パソコン上の画像とそれとの違いは、パソコンでは写っているものの拡大・縮小が自在の点だ。

家族の集合写真が何枚かあるが、私を除いた7人が写っているところを見ると、撮影者は私だろう。他のコマに私が写っているのがあった。「こんな顔だったのか」と驚く。何か怒っているような鋭い視線で、カメラを見ている。この8人のうち祖父母はすでに亡くなり、父母は80歳を超えた。姉2人も弟も独立して久しい。気がついてみたら、今の私がちょうど写真の中の父の年齢になっていて、私の子供たちが写真の中の兄弟姉妹のような年齢である。人間はこうして成長し、年老いて、やがて死んでいくのだと感慨を深くした。元日の日の光を浴びて幸せそうに談笑する家族の写真を眺めていると、懐かしい声が聞こえてくるようであり、「時が流れることによって物事は進展する」という当たり前のことに、なぜか不思議な感動を覚えるのだった。

谷口 雅宣


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